喫煙で年600万人死亡 米がん学会が報告書
ワシントン共同】喫煙が原因と考えられるがんや心臓病などによって死亡する人は、世界で年間約600万人に達し、その数はさらに増える見通しであるとの報告書を米がん学会などが25日まとめた。
報告書によると、喫煙はがんや心臓病、呼吸器疾患などさまざまな病気の原因となり、喫煙する人はしない人に比べて平均で15年早く死亡する。たばこを吸わない人も受動喫煙によって、毎年20万人が死亡しているとした。
米国や日本など先進国の喫煙率は減少しているが、中国を中心に発展途上国の喫煙人口は年々増加。試算では、2010年に喫煙が原因で死亡する人は、年間死者数の約10分の1に当たる約600万人となり、医療費や若い労働者が喫煙で死ぬことなどに伴う経済損失は約5千億ドル(約47兆円)に達する。
対策を取らなければ20年には700万人、30年には800万人と死者は増加するとしている。
報告書は、たばこの弊害が適切な政策によって防止できることは証明されているとして、各国にたばこへの高率の課税制度導入や、公共の場での喫煙禁止などの対策を進めるよう求めている。
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