20代喫煙者「ニコチン依存」7割 半数「高校までに」吸い始め 製薬会社が調査
20歳代喫煙者の約7割がすでに「ニコチン依存」の状態にあることが、製薬会社ファイザー(東京都)が実施した1000人規模の調査で分かった。回答者の半数近くが高校卒業までにたばこを吸い始めており、20歳代でも喫煙年数が短いとはいえない状況も浮かんだ。
調査は昨年秋、インターネット上で実施。喫煙している20歳代の男女各500人が回答。ニコチンへの精神的な依存度を診断するTDSテストを全員に受けてもらったところ、10項目のうち5項目以上が該当する「ニコチン依存症」の割合は70%だった。吸い始めた時期は「大学生」が44%で最多だったが、高校生26%、中学生16%など計46%が高校卒業までに吸い始めていた。83%が、学校の授業でたばこの害について学んだことがあり、74%が有害性を「認識していた」と回答。吸い始めたことを「後悔したことがある」は52%。ニコチン依存症のグループに限ると64%に上り、同グループの67%は「すぐには禁煙できない」と答えた。
厚生労働省の調査によると、日本人の喫煙率は徐々に低下しているが、20〜30歳代は横ばい。調査結果について、禁煙推進学術ネットワーク委員長の藤原久義・兵庫県立尼崎病院長は「若いから喫煙年数が短いとは限らない。ニコチン依存症になると、自らの意志だけで禁煙するのは難しく、長期的な喫煙の被害を若い世代にしっかり理解させる必要がある」と指摘する。【元村有希子】
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