心筋こうそくを起こした喫煙者が禁煙した場合に、心臓の血管(冠動脈)機能が改善することを、徳島赤十字病院(徳島県小松島市)の細川忍医師らのグループが実際に患者で確かめた。都内で開催中の日本心臓病学会で十日発表する。
研究は心筋こうそくを起こした患者五十三人の協力を得て実施。ある薬剤を投与すると動脈硬化などがひどいほど血管が収縮するので、これを手掛かりに冠動脈の機能を調べた。発症後一ヵ月の段階で薬剤を加えたときの血管の収縮率は、もともとたばこを吸わない十八人が平均二割程度なのに対して、喫煙習慣のあった三十五人は同四割近くだったが、半年間禁煙するとこれが三割以下になった。冠動脈機能が着実に改善していた。
喫煙が血管機能を下げる原因になることは知られているが、禁煙の効果を確かめる研究はほとんどなかった。 |
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2003.9.10日本経済新聞
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