テレビ時代劇「必殺」シリーズの中村主水(もんど)や「はぐれ刑事純情派」の安浦刑事などでお茶の間に親しまれ、舞台や映画でも個性的な演技を見せた俳優、藤田まことさん(ふじた・まこと=本名・原田真=はらだ・まこと)が17日、大阪府吹田市内の病院で死去した。76歳。東京都出身。
昭和8年生まれ。父は無声映画時代の時代劇スター、藤間林太郎で、少年時代の多くを関西で過ごした。高校中退後、司会業などで地方を回り、大阪で喜劇俳優に。37年、テレビの時代劇バラエティー「てなもんや三度笠」であんかけの時次郎を演じ、一躍お茶の間の人気者となる。番組では白木みのる、財津一郎らとの掛け合いが笑いを誘い、提供CMのキャッチコピーもヒットさせた。
その後、人気時代劇「必殺」シリーズで「ムコ殿」といびられる恐妻家の殺し屋・中村主水、「はぐれ刑事純情派」で人情肌の安浦刑事といったロングランドラマで個性的な主役を務めた。舞台や映画でも活躍。一方、事業失敗による多額の借金も話題になった。
近年は健康面に不安を抱え、20年には食道がんで6月の明治座「剣客商売」を降板。入院して手術を受けた。その後、ドラマ「必殺仕事人2009」「剣客商売」などの収録に病院から通ったが、21年9月に慢性閉塞(へいそく)性肺疾患と診断され、ドラマ「JIN−仁−」を降板した。
勝 新太郎
1996年7月に下咽頭癌を発病。手術はせず、抗癌剤と放射線の治療を行なった。入院中も外出を繰り返して寿司や酒を楽しみ、煙草は絶対に止めなかった。約4ヶ月後の記者会見では「煙草はやめた」と言いながら堂々と喫煙した。しかし実際には療養中は禁煙し、会見での喫煙はパフォーマンスだったと中村玉緒や鴈龍太郎は語っている。
晩年は、トライデントシュガーレスガムのCMにも出演したほか、死の前年である1996年には『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の「テレフォンショッキング」にも出演した。
最後の舞台は大阪新歌舞伎座で中村玉緒と夫婦役を演じた『夫婦善哉』。
1997年6月21日、下咽頭癌で死去。65歳没。
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