受動喫煙防止、職場は原則禁煙
厚労省、法制化を検討
職場での受動喫煙防止を議論してきた厚生労働省の有識者検討会は28日、労働者の健康を守る観点から一般の事務所や工場は原則禁煙とし、やむを得ない場合は一定の要件を満たす喫煙室の設置を事業者に義務づけることなどを柱とした報告書をまとめた。厚労相の諮問機関の労働政策審議会で具体的内容を詰め、来年の通常国会に労働安全衛生法改正案の提出を目指す。
報告書は、一般の事務所や工場は禁煙とし、喫煙室を設ける場合も有害物質濃度の低減など一定基準を満たす必要があるとした。飲食店など客が喫煙する場所については一律の禁煙は困難としたものの、換気の徹底や従業員のマスク着用などを義務づける。飲食店などで喫煙室を設けた中小企業に対する一定の財政支援や違反の罰則規定についても検討する。
厚労省は今年2月、健康増進法に基づき、飲食店や遊技場など多数の人が利用する施設に建物内での原則全面禁煙を求める通知を出したが、これは努力規定にとどまり、報告書は通知より踏み込んでいる。厚労省の07年調査によると、全面禁煙、もしくは分煙の措置を講じていない事業所は全体の54%。【佐々木洋】