東北大世界初の調査結果
「受動喫煙にさらされる女性は、そうでない女性より血圧が高くなる」という世界初の調査結果を、東北大大学院薬学研究科の今井潤教授らの研究グループが国際高血圧学会誌に発表した。
岩手県花巻市で1998年に調査した35歳以上の喫煙していない女性474人の血圧を解析した。男性は喫煙率が高いため除外した。
朝、家庭で測定した最大血圧を調べたところ、家庭や職場などで受動喫煙がある人のグループは平均116・2-116・8で、受動喫煙のないグループの113・1に対し、3以上高かった。夜に家庭で測定した血圧も、受動喫煙グループの方が2-3程度高かった。受動喫煙に毎日さらされるグループほど血圧が高かった。最小血圧に差はなかった。
今井教授は「家庭血圧は医療機関での測定より正確だ。国民全体の最大血圧が2下がれば、脳卒中による死亡が約9000人、心筋梗塞(こうそく)による死亡が約4000人減らせると言われる。早急に受動喫煙対策を講じる必要がある」と話している。