2歳児が1日40本喫煙…インドネシアで波紋
2歳児のヘビースモーカー! インドネシアの2歳児、アルディ君が1日40本の喫煙をしているとデイリー・メールなど複数の海外メディアが伝え、波紋を広げている。記事では、写真付きで「愛煙家」ぶりを紹介。警鐘を鳴らしているが、父は「息子は健康に見える」と周囲の忠告に耳を貸さないという。世田谷井上病院の井上毅一理事長は「ニコチン中毒症になる可能性がある」と指摘した。
インドネシアに住む2歳児のヘビースモーカーが波紋を広げている。
複数の海外メディアによると、アルディ君一家はインドネシアの南スマトラ州に住んでいる。1歳6か月からたばこをはじめ、1日40本、銘柄も決めているという。おもちゃのトラックにまたがり、一服する姿は「中年トラック運転手のパロディーのようだ」(デイリー・メール紙)と伝えている。ほかに、手にたばこを持ち、おいしそうに煙を吐き出す写真なども掲載されている。
周囲からは、たばこをやめるよう忠告する人も多く、アルディ君の母(26)も「息子は完全に中毒になっている。たばこを取り上げるようなものなら、怒り出し、泣き叫び、壁に頭を打ちつけるのです。息子はめまいがしたり気分が悪いと言うのですが…」と困惑を隠せない。しかし、漁業を営む父(30)は「とても健康的に見える。問題はない」と周囲の忠告に耳を貸さないという。
事態を重く見た行政機関は新車を与える代わりにたばこをやめさせるよう説得したが「たばこを取り上げるとかんしゃくを起こす」と応じていない。中央統計局によると、インドネシアでは、3歳から15歳の子供のうち、25%に喫煙経験があり、3・2%は自発的に喫煙する。01年は、5歳から9歳までの喫煙者が0・4%だったが、04年には2・4%に急増している。
2歳児が喫煙した場合、どのような影響があるのか。世田谷井上病院の井上理事長は「成長に影響があるのは当然ですが、肺がんよりもニコチン中毒になる可能性があります」と話す。「たばこの煙は口や鼻の粘膜、皮膚から吸収されます。よだれ、吐き気、めまい、頭痛、発汗、動悸(どうき)、時には失神する場合もあります」。アフガニスタンや北朝鮮など政情が不安定な国では、幼児が喫煙することも少なくないという