Lesson17 


寄せ集めですが、まずはマーフィーの法則を習得してください。
主な肝機能検査とその意義 ?
変性・壊死
胆汁うっ滞
処理系機能障害
合成系機能障害
間葉系反応

肝臓は、体の化学工場いや、コンビナートとして重要な生化学反応を行っている部分です。しかし、ほとんど、この肝細胞たちは、声をあげて不満を言わずに、死んで行くのです。まずは少し勉強しましょう。最後にどうすれば言いか少しまとめてあります。まずは知識が重要です。
                 
急増する肝臓がん
肝臓病は患者数が多いにもかかわらず、現代医学では治療が困難な疾病とされている。多くの肝臓病の原因とされる肝炎ウィルスを駆逐する特効薬は残念ながら今の段階では少ないといってよい。
肝臓がんによる死亡者は、年々増加の一途をたどっている。肺がん、胃がんに次いで多い数字となっている。しかし死亡者数とは異なり、死亡率では他のがんを上回る数字が示されている。そこで重要な問題として指摘されているのが、肝臓がん患者の95%がC型肝炎ウィルスならびにB型肝炎ウィルスの持続感染者であるという点だ。このほかにもウィルス性肝炎と呼ばれるものはまだあるが、肝臓がんの温床となっているのはこの2つといっても過言ではない。
つまり、C型・B型肝炎ウィルスによる肝炎の慢性化から肝臓の細胞が死滅し肝硬変が進行、そして月日をかけて肝臓がんに至る―、これが日本における肝臓がんへの流れとなっている。
ウィルス性肝炎の主たる治療法は「インターフェロン療法」となっている。「強力ネオミノファーゲンC」や「ウルソ」などの薬物療法を併用する―ケースもあるが、あくまで治療の柱は「インター―」である。
食物が消化、吸収された成分は腸間膜静脈の血液とともに門脈を通って肝臓に運ばれます。
肝臓は吸収された栄養分を体が利用できるように合成する栄養代謝(糖代謝、タンパク質代謝、脂質代謝)でも重要な働きをしています。その他、ビタミン、ホルモンの活性化が行われ、有毒物質の解毒も行われています。また赤血球が分解されてビリルビンとなり、肝臓で胆汁がつくられて十二指腸へ排泄されます。
胆汁はその胆汁酸の働きで食物中の脂肪をミセル化したり、すい液の消化酵素を活性化したり、脂溶性のビタミン類の吸収を容易にする働きがあります。

原発性肝臓癌
 50〜60才代の男性に多く、ウィルス性肝炎(B型、C型慢性肝炎)で肝硬変になった場合は非常に高率に肝臓癌を併発する。C型肝炎でアルコールを多く飲む人に肝臓癌の発生率が高いとも言われている。肝細胞癌、胆管細胞癌およびその混合型に分けられる。
 アルコールは体内で90%が肝臓で処理されるので、暴飲を長い間続けると肝臓に負担がかかり病気となる。日本酒で毎日3合以上かつ5年以上、毎日5合以上かつ10年以上の大酒家にみられる。病型としては脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変があり、高率にこの中にHCV抗体が検出されC型肝炎との関係が示唆されている。
 中性脂肪の蓄積、肝細胞の破壊が進み繊維化が生じてやがて肝機能が低下する。GOT、GPT、γ−GTPが高値になる。
“肝臓の病気を治す“とは、極端な言い方をすれば慢性化した肝障害(慢性肝炎)をそれ以上進行させないことである。増悪しなければ肝硬変にもならず、また、ほとんどの場合肝癌の発生もない。慢性肝炎の時期は、多くの場合、明らかな自覚症状がなく、自分が”肝臓の病気“であることすら気付かずに過ごしいる。この時期の状態で肝障害の進行が停止すれば、障害された肝細胞はいずれ消滅し、正常な肝細胞に置き換わり、肝臓は正常化に向かうはずである。
本日は、慢性肝炎、肝硬変、肝癌の病態を解説し、慢性肝障害の治療と早期発見のための方策を考える。

1.定期検診
 肝臓は“寡黙な元気者”であり、肝炎ウイルスやアルコールに長期間冒されていても自覚症状があらわれにくいのが特徴である。このため、職場の健康診断や別の病気で医療施設を受診した時に初めて肝機能異常を指摘される例が多い。最もいけないのは「自覚症状がないから心配ない」である。1年に1回の定期検診が肝臓の病気を早期に発見する唯一の方法である。そして、肝障害の進行を左右する重大な危険因子が肝炎ウイルスの存在である。肝機能検査とともに肝炎ウイルスの存在の有無を確認する必要がある。
 B型肝炎は、HBVに感染後5年で肝癌を発症したり(慢性肝炎の時期に、突如として肝癌を合併することがある)、30〜50年後になって発癌するなど肝癌への進行を予測することが困難な場合が多い。一方、C型肝炎はある程度の予測が可能で、輸血後C型肝炎の場合を例にとると輸血の時点から肝硬変に移行するまでの期間は平均13.8年、肝癌合併までは23.4年といわれており、一般に感染→急性肝炎→慢性肝炎→肝硬変→肝癌の経過をたどる。このため、特にHCV感染症例では、現在どの段階に位置しているかを正確に把握し、肝障害の進行をできる限り押しとどめることが重要である。

肝疾患の食事療法は、高タンパク、高ビタミンが基本となる。肝機能は修復再生させる摂取タンパク量は、健常人の1.5倍量が必要とされる。ビタミンは、B2、B6、 ナイアシン、C、D、Kなどが肝機能を活発にするうえで欠かせない栄養素となる。

アルコール性肝障害の栄養食事療法
禁酒が原則。三大栄養素、ビタミン、ミネラルを十分に補う。消化器症状や黄疸の強い時、食欲不振時には脂質を1日25〜30gに制限する。アルコール性肝硬変は低たんぱく質血症を起こしている場合は分枝アミノ酸製剤で必要たんぱく質の一部を補う。
高アンモニア血症を伴わないよう、食事とアミノ酸製剤のバランスを考慮する。アルコールの酸化過程で消費されたビタミン類の不足を考慮し、ビタミン、ミネラルは十分補給するが、極端な高ビタミン食にする必要はない。

肝機能を改善する機能性食品
肝機能改善に役立つ機能性食品は、大きく分けて、(1)免疫力を高める(2)たんぱく質等の栄養補給(3)胆汁の分泌促進(4)アルコールの分解促進――の4つがある。
 
(1)では、キノコ由来の健康食品や田七人参、(2)は必須アミノ酸を全て含むクロレラ、スピルリナ、グリコーゲンやタウリンが豊富な牡蠣エキスなどがある。(3)はシジミエキスやウコンが胆汁分泌を促進することが明らかになっている。(4)はアセトアルデヒドを分解するゴマリグナンやアルコール分解酵素の働きを促進する高麗人参、ポークペプチドなどがある。
このほか、レバーエキスやシルク、スクアレン、ビール酵母等を原料にした機能性食品が、「肝機能に良い」として市販されているが、血液生化学的な臨床評価や、患者を対象とした臨床試験を踏まえているものは、ウコンなど一部の素材だけに限られる。
 
近年、ハーブサプリメントで輸入されるようになったシリマリン(マリアアザミ抽出エキス)は、欧州においては肝臓疾患の治療薬に使われており、国内でも肝機能改善作用について臨床評価が進んでいる。シリマリンに豊富に含まれるフラボノリグナンは、優れた抗酸化物質であり、フリーラジカエルスカベンジャー作用や肝臓細胞膜の安定作用を促す。特にシリマリンは、アルコール性肝炎、脂肪肝において高い改善効果を示すことが臨床試験で確認されている。
 
また、中国で肝疾患の治療に使われる有名な漢方製剤に「片仔廣(ヘンシコウ)」があるが、その構成成分の85%は田七人参である。

かつては高エネルギー食が推奨されていた。それは肝細胞の修復の際に代謝が増大し、エネルギーが必要と考えられていたためだ。しかし、太るとエネルギー代謝が増え、逆に肝臓に負担がかかるので、よくないとされるようになった。ビタミンは糖質、脂質を利用するのに必要。また、ビタミンC、E、β-カロチンは免疫力を高めてウィルスの活動を抑える作用などが期待できる。

肝疾患に使われるものとしては、(1)タウリン=肝機能の強化、(2)グルタチオン=解毒、過酸化脂質の分解、肝庇護、(3)ラクツロース=腸内のアンモニア発生の抑制、 (4)分枝アミノ酸=肝臓の栄養状態の改善――がある。
プラセンタエキスを肝疾患の治療に用いて、効果をあげている。「プラセンタは、 (1)肝細胞の増殖を活発にする、(2)血流量を増加させる、あるいは(3)SOD様の働きにより、肝疾患に効果を現すようです。だるさ、疲れやすさといった自覚症状および肝機能検査値の改善がみられます」(吉田医師)。
肝機能が少し悪い人、あるいは健康な人の二日酔いの防止には単独で使いやすい食品です。GOT、GPTといった数値が下がってきます」とその位置づけを語る。ウコンにはクルクミン、ターメリック、アズレンなどの成分が確認されている。胆汁の分泌促進作用があるので、食欲が進み、消化を助けるという。

マリアアザミ 肝機能改善作用が知られたハーブで、欧州をはじめ一部アジア諸国では医薬品として承認されている。マリアアザミの種子摘出物シリマリンは、肝再生を促進する作用が基礎研究で明らかにされている。更に、肝ATPを増加させることから、肝細胞を賦活するとも考えられている。また肝臓でRNAやタンパク質の合成、エネルギー代謝を促進するほか、抗酸化作用も確認されている。
「Kroeger Herb ミルクシスルエキス 」クローガーハーブ
「ECLECTIC INSTITUTE ノゲシ チンキ剤」エクレクティック研究所
「ハーブティーT108 ミルクシスル」ピジョン
「アクティオシリマリン&セレン」アサヒビール薬品(株)
「タケダ 休かん習慣 お付き合いの多い毎日に」武田食品工業(株)
「ハーブクラフト ミルクシスル チンキ剤」(株)サン・メディカ

肝障害、肝炎に対する治療では、甘草から抽出したグリチルリチンや小柴胡湯が汎用されている。この領域では早くから西洋医学と自然療法との統合医療が根付いていると言ってよいだろう。
そこで、片仔廣の製造元である中国障州片仔廣公司が、日本人向けに処方をアレンジしたのが「廣禅顆粒(こうぜんかりゅう)」である。田七人参と蛇胆はそのままに、新たにウコンを配合した。ウコンはショウガ科植物の塊根で、主成分のクルクミンが胆汁分泌を促進し、肝機能改善に働くとされる。
99年には軽度〜中等度の肝機能障害を有する男女15名を対象に、廣禅顆粒の有用性を検討した結果が報告されている。それによると、1日6g、8週間の摂取で、GOT、γ−GTPの値が有意に改善した
試験を担当した磯子中央・脳神経外科病院健康管理センター(神奈川県横浜市)の土田隆センター長は、「かつて朝鮮人参の長期摂取試験で良好な結果を得たこともあり、田七人参を主剤とする廣禅顆粒にも関心を持ちました。いずれもサポニンを含むからです。生活習慣を変更せずともGOT、γ−GTPの有意な低下を認めたことは、肝機能改善効果が十分に期待できます」と話している。肝機能を高めることは、解毒作用、抗酸化作用が強化され、強壮効果につながる。俗っぽく言えば「スタミナがつく」ので、それも健康維持に役立つ。

「生活習慣病を薬で治そうとしてはいけません。より土台の部分へアプローチしなければ。しかし、指導してすぐに生活習慣を変えられる人は少ないので、無理のないことを長く続けるよう提案しています」と土田医師。その意味で、健康食品は生活習慣改善の一助になるととらえており、多くの製品の評価経験をもつ。またその経験から、「健康食品には品質に問題があるものもあり、信頼できるメーカーを選ぶ必要があります」とアドバイスする。

ウコンの肝機能亢進作用
最近ではウコンの抗酸化作用、抗菌作用発がん抑制作用、および肝機能亢進作用など多くの生理活性も報告されている。琉球大学農学部生物資源科学科・本郷富士弥教授らのグループは、長年ウコンの薬理活性について研究を進めている。昨年、同グループは、ウコンの発酵調整による利便性向上の効果を明らかにする目的で、ウコンの成分と特性と抗酸化性についての調査と、ヒト酸化ストレスに及ぼす影響、ラット血中アルコール濃度とその代謝産物生成量に及ぼす影響について検討した結果を発表した。

実験では4週齢のWistar系雄ラットを用い、28日間飼育した。試験終了後、血中総コレステロール、HDL−コレステロール、トリグセライドおよびリン脂質の各濃度、またGOT、GPT、およびγ−GTPの各値をを測定した。また肝臓中の総脂質含量をFolch法により抽出し測定した。

単位重量あたりの肝臓重量は、高脂肪高コレステロール食群(対照群)が基本食群に比べて高い値を示し、、明瞭な脂肪肝障害が認められた。血清中のトリグリセライド、リン脂質、遊離脂肪酸、総コレステロール及びHDLコレステロールの各濃度、またGOT、GPTおよびγ−TPの各値は、対照群と比べ各ウコン投与群のいずれも低い値を示していた。また、肝臓中の総脂質量、トリグラセロイドおよび総コレステロール濃度においても、対照群に比べウコン投与の各2群は低い値となった。以上の結果、発酵ウコンは高脂肪高コレステロール食ラットの血中および肝臓中の脂質濃度を低下させ、脂質代謝を改善させるものと考えられた。

ホワイトファミリー  ツツミのお勧め。
毎日、食べる食事ですから、色々知って、工夫をしましょう。
ここで、重要なのは、頭の中の考え方=精神状態がとても重要なのです。
ストレスをストレスと認識するのも、考え方の違いで、ストレスが癒しになったりもします。考え方の革命が重要。
紙の表と裏、表がしわになれば裏もしわになります。切り離せない一身同体。それは、精神(考え方)と体の関係も同じなのです。あなたの体を構成している何億兆もの細胞たちの活動の総結果として今のあなたの意識と自我が構成され成り立っていることをよく考えてください。
あなたの体は、実はあなたのものでなく、その構成している細胞群の運動の結果なのです。
意識すること、無意識、無為の領域でのあなたの考え方が逆に全ての構成する細胞に影響します。
インターネットで検索して勉強してもらいたいことにマーフィーの法則”という大事なトレーニング法があります。これを活用しましょう。勉強できたら、 私にまた、メールください。

毎日やってはいけないこと。
アルコール類の飲酒。タバコ
パン食、バター、牛乳。
脂分の多い肉。
油つかったてんぷら、
油つかったサラダドレッシング
寝不足。
高い栄養剤買って飲まない。
否定的な考え、悩みくよくよすること。

毎日やって効果あること
カレー特に、シジミ、あさり、シーフード、ベジタブル) 肉のカレーはだめ。タウリン、ウコン、クルミンなど豊富。 ここ一番のカレーがお勧め。
うなぎ、蒲焼、
山椒、七味、胡椒、なんにでも多めにバンバンかけて食べる。
野菜、ねぎ、たまねぎ、大根、にんじん、しょうが、レンコン、わさび 根野菜はいい。蒸かして、食べる。煮た場合は煮汁は残さない。野菜スープがいい。
お魚、刺身、すしはいい。
わさびもいい。
穀物を炒ったものもいい。
ゴマ、豆、コーヒー、麦茶、玄米茶
お茶類はいい。
きのこ、日干ししいたけ、ひじき、ノリ。
ジャム類。果物。
生の果物のジュース、砂糖が入らないものがいい。
ポンジュース。

最後にこれでも、需要なのはそれぞれの工夫を楽しむという
考え方、禁酒や禁煙は苦行ではないし、そんなもの、無くても楽しい人生はいくらでも送れる。
重要なのは、一度きりの人生、与えられた命を楽しむ。
健康に体中の細胞を養っているという使命感。

合掌   ツツミ

 

【表1】主な肝機能検査とその意義

変性・壊死 胆汁うっ滞 処理系機能障害 合成系機能障害 間葉系反応 補足
AST
ALT
LDH

ALP
ALP2,1
ALP5
γGTP
アルコール
ビリルビン(抱合型)
胆汁酸
コレステロール
○↑
○↓
アルブミン
プロトロンビン時間
ChE
脂肪肝↑
ICG負荷
肝循環shunt
アンモニア

膠質反応(ZTTなど)
γグロブリン

II. 肝の機能検査

II-A. 処理系機能
ビリルビン
網内系(赤血球の貪食→ヘモグロビン→ヘム→ビリルビン→分泌)→血中(ビリルビン+アルブミン)→肝(取り込み→細胞内輸送→グルクロン酸抱合→分泌)→胆道(胆汁成分)→腸管(細菌によりウロビリノーゲン→再吸収)→肝(取り込み→ビリルビン→再分泌)または肝を通過して尿から排泄10-15%基準値:総1mg/dl前後以下,上昇:軽度<5mg/dl,中等<20mg/dl,高度>20mg/dl分画:非抱合型,抱合型(総ビリルビンの40%以下,BMG,BDG,δビリルビン)

【表2】黄疸の鑑別 ? 非抱合型ビリルビン

非抱合型ビリルビン 抱合型ビリルビン 尿ビリルビン 尿ウロビリノーゲン 黄疸レベル その他
溶血性黄疸
軽度
肝細胞性黄疸
高度まで
閉塞性黄疸
高度まで
*シャント高ビリルビン血症
軽度
Gilbert
軽度
低カロリー試験
Crigler-Najjar II
中等度
フェノバールに反応
Crigler-Najjar I
高度
UGT完全欠損
**Dubin-Johnson
軽度
BSP再上昇
***Rotor
中等度
色素排泄低下

UGT; UDP glucuronyl transferase GilbertおよびCrigler-NajjarはUGTの遺伝子異常によるものだが機能欠損の程度が異なる病態と考えられる
*骨髄の無効造血による
**cMOAT,canalicular multispecific organic anion transporter,欠損症(抱合型ビリルビンの分泌障害)
***肝細胞内結合蛋白の欠損?

胆汁酸
肝(コレステロール→一次胆汁酸「コール酸,ケノデオキシコール酸」→分泌)→胆道(胆汁成分)→腸管(細菌により二次胆汁酸「デオキシコール酸,リトコール酸」→再吸収)→肝(取り込み,再分泌)基準値:10μmol/L以下
胃常値の成因:胆汁うっ滞,肝実質障害,(体質性黄疸では正常でビリルビンと乖離する)

色素負荷試験
ICG,indocyanine green
循環血漿量50ml/kg体重として,10mg/lとなるように静注
15分後血中停滞率(R15)0〜10%,消失率(K)0.168〜0.206
最大除去率( Rmax)mg/kg/min,<0.2肝切除適応なし,>0.4亜区域切除,>1.0一区域切除
胃常値の成因:肝実質障害,循環シャント,Rotor
BSP,bromsulphalein
30分後血中停滞率 0〜5%,45分後血中停滞率 0〜2%
Dubin-Johnson症候群では45分以後再上昇

非蛋白窒素成分
アンモニア→BUNの障害:肝不全,先天性尿素サイクル酵素欠損症
アミノ酸:BCAA(Val,Ile,Leu)/AAA(Tyr,Phe)=フィッシャー比 2.6-4.6

II-B. 合成系機能
凝固因子

肝産生成分 フィブリノーゲン (II) V VII IX X XI XII XIII
Vitamin K依存性
プロトロンビン時間(PT)
トロンボテスト

ヘパプラスチンテスト
PIVKA-IIの影響なし
部分トロンボプラスチン時間(APTT)
+VIII

肝産生凝固抑制物質:ATIII,プロテインC(Vit.K依存性)
線溶系成分:プラスミノーゲン,α2プラスミンインヒビター

その他
アルブミン,ChE,コレステロールおよびエステル比,LCAT

----- 補足 -----

II-B-a. 肝産生蛋白の半減期(半減期が短い=rapid turnover proteinほど鋭敏な合成機能のマーカーとなる)
factor-VII (5h) < factor-X (1-2 days) < prothrombin (3-4 days) < fibrinogen (4-6 ays) < ChE (1-2 weeks) < albumin (2-3 weeks)

II-B-b. 蛋白分画検査

II-C. 間葉系反応
膠質反応
ZTT:ほとんどIgGに反応
TTT:γグロビリンとくにIgM,リポ蛋白

繊維化マーカー
MAO,PIIIP,IV型コラーゲン,など

III. 肝の病因的検査

III-A. ウイルス
HAV
RNAウイルス
HA抗体(IgM型,IgG型):IgM型は発症後半年ほど陽性

HBV
DNAウイルス,preS-S,P,X,preC-Cの4領域から抗原蛋白を産生する
表面抗原(preS1抗原,preS2抗原,HBs抗原),HBs抗体:preS抗原の存在は増殖亢進
HBc抗体(IgM型,IgG型):IgG型高力価は感染状態
HBe抗原,HBe抗体:HBc抗原の一部なのでHBV量と相関
HBV関連DNAポリメラーゼ:P領域抗原,HBVの増殖状態のマーカー
HBV-DNA:PCRなどで極微量のHBVを検出する

HCV
RNAウイルス

5'-NCR C E1 E2/NS1 NS2 NS3 NS4 NS5 -3' 抗体認識領域/抗体
-
-
-
-
-
-
+
-
-
第1世代(C100-3)
-
+
-
-
-
-
-
-
-
コア抗体
-
-
-
-
-
-
-
+
-
NS5抗体
-
+
-
-
-
+
(+)
-
-
第2世代HCV抗体
-
+
-
-
-
+
+
+
-
第3世代HCV抗体
-
+
-
-
-
-
-
-
-
コア抗原
+
<+>
-
-
-
-
-
<+>
-
PCR,genotype関連部<>

日本でのgenotype(core)頻度:1a 5%,1b 65%,2a 20%,2b 10%(インターフェロン治療効果は2a,2bで大)
HCVの存在診断:HCV-RNA定性 or コア抗体の高力価

EBV
ヘルペス科DNAウイルス

関連疾患\抗体 VCA-IgM VCA-IgG VCA-IgA EA-IgG EA-IgA EBNA
既感染者
-
+
-
-
-
+
伝染性単核球症
+
-〜+
-
+
-
-
慢性EBV感染症
+/-
+
-
+
-
+
Burkittリンパ腫
-
+
-
+
+
+
上咽頭癌
-
+
+
+
+
+

VCA抗体,viral capsid antigen:IgM型は初感染で陽性
EA抗体,early antigen:EBVの増殖状態のマーカー
EBNA抗体,EBV-determined nuclear antigen:既感染のマーカー,発症後6-8週で出

その他
HDV,CMV,HSVなど

----- 補足 -----

III-A-a. 急性B型肝炎におけるウイルスマーカーの変動

潜伏期中(半年以内) 発症時 1月 2月 3月 半年 終生
ALT
-
peak
-
-
-
HBsAg
peak
-
-
-
IgM HBcAb
IgG HBcAb
-
-
peak
HBeAg
peak
-
-
-
-
-
HBeAb
-
-
-
-
-
HBsAb
-
-
-
-
-

III-A-b. 持続性HBV感染
 HBsAg(+)かつHBeAg(+)期 → HBsAg(+)かつHBeAg(-),serovonversion,シューブなどを契機とする,この時期にIgM HBcAb一過性出現,preC変異株が出現,10-30歳頃 → HBsAg(-),一部でこの変化あり,40-60歳頃

【表3】腫瘍マーカー一覧表

項目 大腸 結腸 食道 乳腺 卵巣 子宮 前立腺 膀胱 その他
CA19-9
?
?
?
?
?
?
?
?
CA50
?
?
?
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?
?
?
?
KMO-1
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?
?
?
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?
?
SPan-1
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?
?
?
?
?
?
?
SLX
?
?
?
?
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?
?
NCC-ST-439
?
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?
?
STN
?
?
?
?
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?
?
CA72-4
?
?
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?
CA54/61
?
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?
CA15-3
?
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?
?
DUPAN-2
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?
?
CEA
甲状腺髄様癌
AFP
?
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卵嚢腫
BFP
?
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?
腎・精巣
BCA225
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CA125
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○*
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CA130
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CA602
?
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?
SCC
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?
?
皮膚・頭頚部
PSA
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?
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?
γ-Sm
?
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?
?
PAP
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?
HCGβ-cf
?
?
?
?
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?
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?
?
?
?
?
NSE
?
?
?
?
?
?
?
◎**
?
?
?
?
?
神経芽細胞腫
TPA

?
?
CYFRA21-1
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
ProGRP
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
NSE類似
PIVKA-II
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
尿遊離フコース
?
?
?
?
?
?
?
?

*子宮内膜症のマーカー,**小細胞癌

III-B. 肝の腫瘍マーカー
AFP,αfetoprotein,αフェト蛋白:肝細胞癌,胎児性腫瘍(基準値:20ng/ml以下)
PIVKA-II,protein induced by vitamin K absence or antagonist-II:肝細胞癌

III-C. 自己抗体
ANA,anti-nuclear antibody,抗核抗体:自己免疫性肝炎(I型)
SMA,smooth muscle antibody,抗平滑筋抗体(細胞骨格,アクチン):自己免疫性肝炎(I,III,IV型)
LKM-I抗体,liver/kidney microsome type I(P450 IID6):自己免疫性肝炎(II型)
SLA抗体,soluble liver antigen:自己免疫性肝炎(III型)
ASGPR抗体,asialoglycoprotein receptor:自己免疫性肝炎
AMA,anti-mitochondrial antibody,抗ミトコンドリア抗体:原発性胆汁性肝硬変(PBC)
ANCA,anti-neutrophil cytoplasmic antiboty,抗好中球細胞質抗体:原発性硬化性胆管炎(PSC)

III-D. 蓄積物質(代謝異常)
鉄:ヘモクロマトーシス
銅:Wilson病
脂肪:脂肪肝,Reye症候群(ミトコンドリア異常),急性妊娠性脂肪肝(AFLP)
糖:糖原病
蛋白:アミロイドーシス
ポルフィリン:肝型ポルフィリア

III-E. その他
循環:特発性門脈圧亢進症,Budd-Chiari症候群,うっ血肝,他
感染:Weil病,肝膿瘍,他
寄生虫:日本住血吸虫症,肝吸虫症,肝蛭症,エキノコッカス症,アメーバ性肝膿瘍,他
中毒:有機溶剤,キノコ毒(アマニタトキシン)
薬剤:肝炎型,胆汁うっ滞型,混合型
妊娠:急性妊娠性脂肪肝,HELLP症候群,妊娠性反復性肝内胆汁うっ滞

【肝疾患の存在を疑うケース】
無症状ないしは倦怠感,食欲不振などの軽微な症状のみが多いので検査で見つかることが多い急性全身性感染症状,中毒症状や黄疸などの強い訴えがある場合
ずっと薬を飲んでいる,または最近薬を飲んだ時
飲酒習慣がある場合
輸血歴がある場合
妊娠している時
肥満などの代謝的な問題を持っている場合
農薬や有機溶媒に接している場合,など

【肝疾患があると考えられる検査異常】
尿ビリルビンが陽性である
主にALTが上昇している
γGTPの上昇がある
アルブミンとChEの両方が低値である,など