大阪府内でタクシーの全面禁煙が1日、一斉に始まった。大阪タクシー協会(大阪市)と全大阪個人タクシー協会加盟の法人と個人のほぼすべての車両約2万台が対象。
1日朝、JR大阪駅前のタクシー乗り場には禁煙化を知らせるのぼりが登場。乗客の受け止めはおおむね好意的で、大阪市の会社員橋本貴司(はしもと・たかし)さん(48)は「愛煙家の自分でも車内に残ったにおいはいやだった。(禁煙は)いいと思う」と話した。
一方、客待ちをしていた男性運転手(75)は「今朝から1本も吸ってない。初日だからつらい」とイライラした様子。別の運転手(76)は「さっき乗ってきた男性客には『便利悪いな』としかられたんで、吸ってもらいましたわ。争い事はいややから」と小声で話した。
大阪府のタクシー台数は東京都に次ぎ2番目に多い。客離れなどを懸念し禁煙化に消極的だったが「時代の流れ」(大阪タクシー協会)として、都道府県別で40番目に全面禁煙にかじを切った。
同協会によると、全対象車に「禁煙車」のステッカーを張り、喫煙中の客が乗車した場合は、携帯の吸い殻入れを手渡すなどして理解を求める。たばこを吸う運転手にも車内での禁煙を徹底するというが、罰則は設けない。