【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)は10日、喫煙による健康被害を伝えるため、汚れた肺などの写真を載せた36種類の新たなたばこパッケージ案を発表した。たばこ規制法に基づく施策の一環で、来年6月までに9種類を選定し、2012年秋から国内で販売するたばこに表示を義務付ける方針。
「喫煙はがんの原因になる」「喫煙はあなたを殺す可能性がある」との警告文を大きく明示。たばこの吸いすぎで汚れた肺や後退した歯茎など、ショッキングな写真がパッケージの前面と後面の上半分に大きく配置されている。受動喫煙によって子どもやたばこを吸わない人に健康被害が及ぶことも警告している。
FDAは「たばこの悪影響を減らすためにはある程度明確で、身震いするような絵が必要になる」とコメントしている。
米国では09年、たばこの製造や販売を大幅に規制する権限をFDAに付与する初の包括的なたばこ規制法が成立した。
【ワシントン=山田哲朗】米食品医薬品局(FDA)は10日、昨年成立した「たばこ規制法」に基づき、たばこの包装に大きな警告の表示を義務づける方針を決め、36種類の図案を発表した。
図案はいずれも包装の半分を占め、胸に手術の跡がある男性の遺体の写真と「喫煙で死ぬことがあります」の警告文、赤ちゃんに煙をふきかける母親のイラストと「たばこは子供の健康を害することがあります」の警告文など、強く目を引くものばかりだ。
FDAは一般の意見を募ったうえで来年6月までに使用する9種類を選び、2012年9月から実施に移す。米国では毎年44万人以上がたばこのせいで死亡しているとみられ、きつい警告で若者が喫煙を始めるのを防ぐ狙いがある。