Lesson197


受動喫煙で600万人も死亡?


受動喫煙で60万人が死亡 うち16万人が5歳未満 
WHOが初の推計


 他人のたばこの煙を周囲の人が吸い込む受動喫煙による死亡者数は、世界全体で毎年60万人に達するとの推計を、世界保健機関(WHO)の研究チームが27日までに、英医学誌ランセットに発表した。うち16万5千人を5歳未満の子どもが占めるとみている。

 受動喫煙による世界的な死亡者数の推計は初めて。チームはたばこ価格の引き上げや広告の禁止など、国連のたばこ規制枠組み条約に基づく法規制の強化を訴えている。

 チームは192カ国のデータを分析し、15歳未満の子どもの40%、非喫煙女性の35%、非喫煙男性の33%が受動喫煙にさらされていると想定。これが心臓病やぜんそく、呼吸器感染症、肺がんなどを引き起こし、全死亡の1%に当たる60万3千人が2004年に亡くなったと推計した。

 特にアフリカや南アジアなどの発展途上国で、子どもの健康に及ぼす影響が大きかった。WHOはこれまで、たばこが原因で死亡する喫煙者は年間510万人と推計しており、受動喫煙を加えると570万人の死亡原因になっているとチームは結論付けた。

(2010年11月29日 提供:共同通信社)