Lesson227

中学高校生も値上げで"禁煙" 
喫煙生徒6割がタスポ使用 厚労省、10万人調査





 昨年10月のたばこ値上げをきっかけに、それまで喫煙していた中高生の約2割が"禁煙"したことが14日、厚生労働省研究班の10万人規模の調査で明らかになった。

  一方、毎日喫煙している中高生のうち、たばこ自動販売機用の成人識別カード「タスポ」を家族や知人から借りたり、何らかの方法で入手したりして使ったことがある生徒は63・3%に上り、タスポ導入直後の2008年度の前回調査と比べ約1・5倍に増加した。

 研究班代表の大井田隆(おおいだ・たかし)・日本大教授(公衆衛生学)は「自由に使えるお金が少ない中高生の喫煙を減らすには値上げが有効だといえる。タスポの効果は薄れたとみられ、自販機自体の撤去を進めるなど根本的な対策が必要だ」と話している。

 調査は昨年10月、無作為抽出した全国の中学と高校計244校に調査票を送付、今年3月末までに170校の9万8867人から回答を得た。

 調査結果によると、値上げ後もたばこを吸っている中高生は2854人(2・9%)、値上げ後にたばこをやめたと回答したのは656人(0・7%)。値上げを機に約2割が禁煙したことになる。毎日喫煙している中高生のうち65・8%は「値段が高くなり、買いにくくなった」と答えた。

 1回でも喫煙経験がある中高生の割合は男女ともに過去最低を更新。高校生男子では19・5%(前回比5・4ポイント減)で、調査を始めた1996年度からは32・4ポイント減った。高校生女子は12・5%(3・3ポイント減)、中学生男子10・2%(2・1ポイント減)、女子7・2%(2・3ポイント減)だった。

 調査は5回目。従来は4年ごとに実施していたが、今回から2年ごとにした。

(2011年7月15日 提供:共同通信社)