食物繊維で循環器病を予防 ただし非喫煙者のみ
たばこを吸わない人の場合、野菜などに含まれる食物繊維を多く取ると脳卒中や虚血性心疾患の発症リスクが低くなるとの研究結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎(つがね・しょういちろう)国立がん研究センター予防研究部長)がまとめ、4日公表した。
研究班は岩手や沖縄など8県の45〜74歳の男女約8万7千人を、2004年まで平均約10年間追跡。この間、2553人が脳卒中、684人が虚血性心疾患を発症した。
食生活のアンケートから計算した食物繊維の摂取量に従って5グループに分けてみると、たばこを吸わない人の場合、最も食物繊維の摂取が多いグループでは、最も摂取が少ないグループより発症リスクが約4割少なかった。
逆に、たばこを吸う人では、食物繊維の摂取が増えてもリスクは減らなかったという。
研究を担当した小久保喜弘(こくぼ・よしひろ)・国立循環器病研究センター予防健診部医長は「健康を目指すには1日20グラムは摂取するのが望ましいが、今回の調査では最も多いグループでようやく到達するレベルで、全体的に足りていない。野菜などをもっと食べ、喫煙を避けるよう心掛けて」と話している。
2011年8月4日 提供:共同通信社