Lesson256

2001年にあったニュース

千葉県 喫煙は歯周組織にも影響 2001.7.25



ポスターでキャンペーン

千葉県歯科医師会では県民の健康のためのキャンペーンとして、数年にわたってポスターを製作してきた。今年も製作したのでご覧いただきたい。

たばこの悪影響ポスター

喫煙がいかに体に悪いのかは誰しもわかっているが、受動喫煙の怖さを知らない人が多い。
例えば、心筋梗塞は受動喫煙なしの人に比べて1.3倍、脳梗塞、くも膜下出血は1.8倍、口腔ガンは2.9倍だと言われている。WHOの統計によれば、世界ではタバコ関係の病気で「8秒間に1人が死んでいる」ということである。
また、経済的損失においては、厚生労働省が「健康日本21」にタバコによる死亡や有病のために、1993年には、年間約1兆2千億円、国民医療費の約5%が超過医療費として、かかっていることが試算されており、社会的経済的損失全体では、少なくとも4兆円以上の損失があると言われている。このことは、喫煙のために、国民1人当たり、年間約3万円程度の税金を支払っていることになり、非喫煙者にとっては『怒り』をどのように表現してよいか、わからない。
歯科においては、喫煙により悪性腫瘍、白色浮腫、口蓋角化症、白色病変、色素沈着などを誘発することが知られている。特に歯周病への影響は大きい。
喫煙が歯周組織に与える悪影響のメカニズムについても考えられてきた。つまり、歯周組織の免疫担当細胞や歯根膜線維芽細胞に障害を起こし、歯周組織の歯牙に接着する力を弱め、歯周ポケット形成を促進させ、ひいては歯槽骨の吸収を助長し、歯周病を悪化させるのである。この事実を知り、歯科医師が喫煙するのは問題があるのでは。
〈千葉県歯科医師会障害研修委員・木島峯雄〉

2001年7月25日 第1236号より