喫煙率過去最低2割切る 「目標値12%」設定へ
厚労省の健康・栄養調査
2010年の成人の喫煙率は19・5%で、前年と比べ3・9ポイント低下し過去最低となる一方、禁煙したいと考えている喫煙者が過去最高の37・6%に上ったことが31日、厚生労働省の国民健康・栄養調査で分かった。同省は「たばこ税の増税に伴う10年10月の値上げを機に、たばこをやめた人ややめたいと思う人が増えたのではないか」としている。
この結果を基に厚労省は、13年度からの次期健康づくり計画に「22年度までに喫煙率を12・2%以下にする」との目標値を明記する方針を固めた。次期がん対策推進基本計画にも同じ目標値を盛り込む方針。
喫煙率の目標値設定は実現すれば国として初の取り組みだが、たばこ業界は反発している。
調査は10年11月に実施。全国の20歳以上の男女計7881人から回答を得た。習慣的に喫煙していると回答した人の割合は男性32・2%(前年比6・0ポイント減)、女性8・4%(同2・5ポイント減)で、調査を始めた1986年以降でいずれも最低。全体の喫煙率もデータがある95年以降最低だった。
習慣的喫煙者で「たばこをやめたいと思う」と答えた人は男性35・9%(同4・2ポイント増)、女性43・6%(同2・0ポイント増)。男女計の割合も含めいずれも、同様の質問を設けた07年以降最高。
目標値は、今回の調査でたばこをやめたいと回答した人が全員禁煙したと仮定して算出。「やめたい人がやめられるようにする」という厚労省の考え方を反映した。
受動喫煙の機会がある人の割合も、家庭(毎日)で3%、飲食店(月1回以上)で15%とする目標値を設ける方針。
目標値を入れたがん対策推進基本計画の素案は2月1日に示される。同計画と次期健康づくり計画は、いずれも4〜6月ごろ正式決定の見通し。
※国民健康・栄養調査
健康増進法に基づく調査で、生活習慣病対策などの基礎資料にするため厚生労働省が毎年実施する。2010年は全国から無作為抽出した3684世帯が対象。調査項目は身長、体重、血圧、腹囲など身体的データに加え、食事の摂取状況や飲酒、喫煙、睡眠、運動など。
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