喫煙率12%目標盛り込む 検診受診率引き上げ課題
次期がん基本計画の素案
厚生労働省は1日、2012年度からの次期がん対策推進基本計画の素案を、がん対策推進協議会(会長・門田守人(もんでん・もりと)がん研有明病院長)に提示した。働く世代や小児対策の充実など既に示していた骨子に加え、10年後の喫煙率を12・2%に減らすなどの数値目標を盛り込んだ。低迷するがん検診受診率の目標値でさらに検討を続け、6月に正式決定する。
日本ではがんで年間約35万人が亡くなり、死因の1位。一生で2人に1人ががんになるとされ、基本計画は、がん対策を実効的に進めるためがん医療の在り方などの課題と目標をまとめる。07年度に初めて作られた。
素案では22年度までに、禁煙したい人が禁煙することで成人喫煙率を10年の19・5%から12・2%にするとし、未成年の喫煙は継続して「なくす」ことを目標とした。受動喫煙の機会も半減を目指し、飲食店で15%(10年50・1%)、家庭で3%(同10・7%)に下げる。行政機関と医療機関は0%とする。また20年までに受動喫煙のない職場を実現する。たばこに関する目標値の明示は初めてで、協議会は基本的に了承した。
現計画で、5年以内に50%以上にすると掲げた乳がん、大腸がんなどの検診受診率は、現状では20〜30%と低迷。早期発見のため受診率の向上が求められるが、統計のまとめ方にも課題があるとして、具体的な目標値の設定は先送りした。ただ、死亡率が上昇している乳がんと子宮がん、検診の有効性が確実な大腸がんの検診には目標値が必要と提案した。
現計画が全体目標として掲げた「07年度から10年以内にがんによる死亡者の20%減少」は引き続き維持するとしている。
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