たばこ訴訟、二審も敗訴 健康影響は軽視できず
長年の喫煙で肺がんや肺気腫になったとして、横浜市の男性3人(うち2人死亡)が日本たばこ産業(JT)と国に1人1千万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は14日、請求を退けた一審横浜地裁判決を支持、原告側の控訴を棄却した。
福田剛久(ふくだ・たかひさ)裁判長は、喫煙は肺がんの原因の一つで肺気腫のリスクを高めるものの個人差があるとした上で「健康への影響は軽視できないが、嗜好(しこう)品としてたばこの製造販売は社会的に許容されている」と指摘。
「どのような条件で製造販売するかは、社会一般の意見を反映した立法に委ねられている」と述べ、JTの注意喚起や国の規制権限の不行使に違法はないと結論付けた。
3人は20〜37年間喫煙し、肺気腫になった2人は一審途中と二審結審後に死亡。肺がんを患った高橋是良(たかはし・これよし)さん(69)は「嗜好品で死んだ人はいない。絶対に許せない判決で上告したい」と話した。