職場でたばこ対策強化を 都がハンドブック作製 「医療新世紀」
毎日長時間を過ごす職場での受動喫煙対策がしっかりしていないと、吸わない人の健康を害するだけでなく、吸う人、吸わない人双方のストレスになる。社会的には「当然」という流れになっている職場の禁煙、分煙をさらに進めるため、東京都は、具体策と実際に取り組んだ事業所の実例を紹介するハンドブックを作製して配布し、ホームページでも公開した。
ハンドブックはまず、現在の喫煙場所と職場で、それぞれ浮遊粉じん(空気中に漂う煙)や換気の状況を調べ、社としていつまでに、どう改善するかの目標に沿って計画を立てることを推奨。
外部に排気して煙が職場に漏れないようにするなど喫煙室を設ける際の注意点を列挙し、屋外に喫煙場所を設ける場合は道路や周辺施設にも煙が流れないよう配慮を求めている。
事業所ごとの取り組みでは「社内で禁煙キャンペーンを実施」(システム開発、測量機器大手)、「喫煙室の基準を独自設定し、室数を随時削減」(コンピューター、化粧品)などを紹介、大規模な改修が難しい中小企業でも「屋外喫煙ルールを徹底できない」「喫煙者に不評」といった困難を抱えながら、徐々に改善している実例を写真入りで取り上げた。
都庁には「困っているが上司に言えない」「仕事場に煙が来るが改善されない」などの声も届き、従業員アンケートでは喫煙者でも9割が「対策が必要」と答えた。東京都健康推進課の担当者は「社員の意見を十分に聞き、安全衛生委員会なども活用して、組織として取り組んでほしい」と話している。
東京都ホームページで探すか、「職場の受動喫煙防止対策ハンドブック」で検索を。