Lesson309

喫煙制限 飲食店を除外…大阪府が検討中の条例
 


骨抜き条例だ。食の健康という観点が抜け落ちている。喫煙関連のメンテがなくなり、全部の飲食店が同じ土俵で平等に経営できる、

禁煙をうたって客足が遠のくというなら、飲食店は経営のために、客の健康を無視しているということ。

喫煙できる場所を公共部分から全面的に排除するという方針がうすれている。喫煙場所は申請して、分煙が成立しているかチェックしてオーケーなら許可する。全面禁煙で、許可分煙制にするべき。

 受動喫煙防止のため、大阪府が検討中の「禁煙条例」で、学校や官公庁、医療機関に全面禁煙を義務づける一方、飲食店や宿泊施設などは喫煙制限対象から除外する見通しになった。「大阪は食の街。客離れが進み、影響が大きい」という飲食業界などに配慮した。

条例の必要性を検討する府衛生対策審議会が、飲食店などでの喫煙制限を見送る方針を固め、今月末に答申することになったため。飲食店などに対しては新たに指針を設け、全面禁煙や分煙を勧めることを示す。

府は2008年、健康増進計画で官公庁や医療機関、学校の全面禁煙を求めたが、強制力がなく、全面禁煙の実施率は12年に病院86・3%、私立学校82・1%。飲食店は17・5%(10年)にとどまり、条例による喫煙制限を検討していた。

ところが、同審議会の検討部会では、飲食店関係者らから「私的財産を条例で制限するのはおかしい」「客離れが進む」などの意見が続出し、「全面禁煙や分煙など喫煙制限の義務化は困難」と結論づけた。

厚生労働省は10年、多数の人が利用する施設を原則全面禁煙とし、実施困難な場合に限り分煙を認める局長通知を出している。一方、府内の肺がんなどの死亡率は00-10年に9回、都道府県ワースト3。3年連続ワースト1の時期もあり、国立がん研究センターの望月友美子たばこ政策研究部長は「厚労省の通知より後退した印象で、踏み込み不足。飲食店などを除外するなら、全面禁煙を実施する目標時期も明記すべきだ」と批判している。

2012年10月25日 提供:読売新聞