Lesson43
 

「家庭でも分煙を」 厚労省研究班
夫の喫煙、妻の肺腺がん危険2倍に




メタボリックなどのことでも、いまさら、分煙でなくて完全禁煙なんだけど、いきなり禁煙って難しい。個人の問題を社会全体の問題として動くときに、禁煙を推し進めないと、個人レベルや、小さい飲食店では、分煙も難しい。

夫が喫煙者だと、非喫煙者の妻が肺腺がんになる危険が2倍になることが厚生労働省研究班(主任研究者、津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の大規模疫学調査で分かった。夫の喫煙本数が多いほど妻が肺腺がんになりやすく、研究班は「家庭や職場で分煙を工夫すべきだ」としている。がんの国際専門誌に発表した。

肺腺がんは主に肺の奥にできるがんで、女性の肺がんでは最も多い。研究班は妻(40-69歳)がたばこを吸わない夫婦約2万8000組を対象に、平均13年間追跡調査した。

追跡調査期間中に肺がんと診断された妻は109人で、うち82人が肺腺がんだった。夫が喫煙者の場合に妻が肺腺がんになる危険は、夫が非喫煙者の場合の2倍、夫がかつて喫煙者だった場合も同1・5倍になっていた。

夫の喫煙本数別でみると、1日に20本未満の場合は吸わない場合に比べ1・7倍、20本以上は同2・2倍と、本数が多いほど妻が肺腺がんになる危険が高まった。82人の約4割は夫からの受動喫煙が原因と推定された。
【須田桃子】

記事参考 毎日新聞 2007.12.12