Lesson97

公共エリアで喫煙するマナーのない人たちだから、
違反してもそのまま逃げるのは当たり前、
完全禁煙を徹底しなければ意識は変わらないです



路上喫煙の違反金、「後で払う」と“吸い逃げ”続出

喫煙による健康被害への意識の高まりにあわせ、条例で繁華街などに路上喫煙を禁止する地区を設ける自治体が増えている。違反金(過料)として1000〜2000円を徴収するところが多いが、違反者が「現金がないのであとで払う」などと言い訳をして、そのまま支払いを逃れるケースが相次ぎ、自治体が徴収に手を焼いている。

 不心得者が8割に上る自治体もあり、「このままでは制度そのものが崩壊しかねない」と、〈吸い逃げ〉対策の強化に乗り出すところも出てきた。

 2007年10月から、御堂筋で違反金を徴収している大阪市の場合、先月までの違反者は1万3561人。このうち、5・4%にあたる735人が「今、現金の持ち合わせがない」などとして後日、銀行振り込みなどで納付することを選んだ。しかし、6割強の459人は、2週間の期限が過ぎても支払わないまま。デタラメの住所や電話番号を書いているために、督促状が届かず、電話もつながらない人が4割もいる。

 京都市では、河原町通などが対象。昨年6月から今年3月までに、後日の納付を約束した57人のうち33人が未納。神戸市でも昨年7月から先月までの違反者322人のうち、229人が期限内に違反金を納めていないという。

 02年11月に徴収を開始、先駆けとなった東京都千代田区や、昨年10月から徴収を始めた兵庫県姫路市では未納者率が8割に達する。千代田区では現在、未収金が約1970万円もある。

 各自治体の担当者によると、徴収が難しいのは、▽うその電話番号や住所を告げられて追跡できない▽対象者が多く、手が回らない▽差し押さえに動くにも少額で効率が悪すぎる−−などが理由。身元確認に欠かせない身分証の提示も任意で応じてもらうしかない。

 一方、違反者からは「禁止エリアとは知らなかった」「説明がなかった」などという言い分が多く、こうした不満が、吸い逃げの背景となっている可能性もある。

 このような状況から、大阪、京都、神戸の3市はこの夏、合同の対策会議を開いて対応を協議することにした。徴収に対する理解を求めるため、今後、共通の啓発ポスターも作るなどして、対策を強化することにしている。

 

(2009年4月11日 記事提供 読売新聞社)