メタボ家計にも悪影響

新聞掲載された厚労省の記事が目に付いた。「メタボ家計にも悪影響」とある。メタボリック症候群の人の医療費が、そうでない人よりも年8〜12万円も多いことが判明した、と記されている

平成22年度のメタボ健診の実施率は43・3%(厚労省・特定健康診査・特定保健指導の実施状況)。日本人の死因の1位はがん(悪性新生物)で29・5%だが、心疾患、脳血管疾患、糖尿病などの”生活習慣病”で全死因の約60%を占めている(厚労省・平成22年人口動態統計)。今後は、医療費の差が具体的に示されたことで、生活習慣を改善して個々にメタボ脱却を目指す人が増えることであろう

企業の従業員らが加入する健保組合で、生活習慣病予防などの健康づくりに取り組む事例が増えている。トヨタ関連部品健保組合と当該地区の歯科医師会との共同調査によると、年2回以上、口腔内の定期的な健診を受診しケアを行う群とそうでない群とでは、年間総医療費において65歳で15万円以上の差が生じた。歯・口が健康であれば、歯科の費用を含めても「生涯医療費」が低くなるとの結果が出た。厳しい状況下で、両者が模索している一つの姿と言える

自分を脅かすものの正体が不明な時ほど、不安を感じるものである。将来に向けて、健康への不安は尽きない。(薮)

2012.09.15 記事提供:日歯広報