福島第1原発事故後、災害支援で長崎県から福島県に派遣された大学職員らを長崎大病院で検査した結果、4割の人たちから放射性ヨウ素が検出されたことが2日、長崎大への取材で分かった。検出されたのは微量で、健康に影響はないという。
5日に広島市で開かれる原子爆弾後障害研究会で発表する。
長崎大は、福島県に出張した人たちが内部被ばくの不安を訴えたため、3月末までに、現地から戻った大学や県内自治体の職員ら87人の体内を「ホールボディーカウンター」と呼ばれる装置で調べ、34人から放射性ヨウ素131を、22人から放射性セシウム137を検出した。
放射性ヨウ素の量は平均で体重1キロ当たり8・2ベクレル、セシウムは同12・5ベクレルだった。通常でも成人男性で約3千ベクレルの放射性カリウム40が全身の体内にあり、健康に影響はないという。
調査に当たった長崎大先導生命科学研究支援センターの松田尚樹(まつだ・なおき)教授は「放射性ヨウ素などは通常体内には存在せず、原発事故の影響と考えられる。現在では現地に滞在してもほとんど検出されないが、住民や原発作業員の測定はしっかりやっていく必要がある」と話している
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