原子炉事故:東電社員の被ばく、最大で580ミリシーベルト


 国が緊急措置として引き上げた被曝(ひばく)量限度の250ミリ・シーベルトを超えた可能性があるとして、精密検査を受けていた福島第一原子力発電所の男性運転員2人について、東京電力は3日、少なくとも300ミリ・シーベルト近い被曝を確認したと発表した。

 被曝量の大半は、体内に取り込んだ放射性ヨウ素によるもので、今後50年間で最大約650ミリ・シーベルトに達する。限度を超える被曝の確認は初めてで、原子炉等規制法や労働安全衛生法に違反する可能性が高い。

 2人は、水素爆発などで放射性物質が大量放出された3月11-15日に3、4号機の中央制御室で作業していた。検査の結果、30歳代の運転員は74ミリ・シーベルトの体外被曝に加え、210-580ミリ・シーベルトの体内被曝が判明した。40歳代の運転員は体外が89ミリ・シーベルト、体内が200-570ミリ・シーベルトだった。


2011.06.04 提供:読売新聞