今だにつづく放射能の汚染拡大

首都圏まで広がる汚染 千葉と埼玉の分布公表

 文部科学省は29日、福島第1原発事故で放出された放射性セシウムについて、航空機で測定した千葉県と埼玉県の土壌への蓄積状況を示す分布図を公表した。すでに公表された福島、栃木、茨城、群馬県などと合わせて見ると、原発から南西方向に比較的高い線量の地域が帯状に伸び、薄まりながら首都圏まで汚染が広がっている様子が明らかになった。

  文科省は、風の影響によって原発から北西方向に広がった放射性物質が、福島市西部の山間部で南西に方向を変え、群馬県西部まで汚染が広がったと分析している。

  また原発の南方では、茨城県北部で風がいったん海側に向きを変えた後、再び陸地側に方向を変え、千葉県北西部まで到達して数値が高い地域ができたとみている。千葉県柏市や松戸市などの土壌中のセシウムは1平方メートル当たり6万〜10万ベクレル、放射線量は毎時0・2〜0・5マイクロシーベルトと高かった。埼玉県南東部の三郷市や西部の秩父市でも同様に高い地域があった。 文科省によると、毎時0・2マイクロシーベルト以上だと年間被ばく線量が一般人の被ばく限度の1ミリシーベルトを超える恐れがある。

  9月8〜12日にかけて放射線検出器を搭載したヘリコプターで上空から測定した



2011年9月25日 提供:毎日新聞社