東京電力福島第1原発事故で、放射性ヨウ素を体内に取り込んだことによる甲状腺被ばく線量(等価線量)が100ミリシーベルトを超える作業員は、推計で1973人に上ることが、東電の調べで19日までに分かった。体全体の内部被ばく線量が100ミリシーベルトを超えると、がんのリスクが高まるとされる。東電は1973人について、無料で年1回の甲状腺の超音波検査を受けられるようにした。
東電はこれまでに522人の作業員の実測データを世界保健機関(WHO)に報告。WHOが2月に公表した報告書では、このうち甲状腺被ばく線量が100ミリシーベルトを超えた作業員は178人だった。
発表などによると、調査対象は東電社員3290人と協力企業社員1万6302人の計1万9592人。甲状腺被ばくの実測データがある522人以外は、取り込んだ放射性セシウムからヨウ素の値を推計し、甲状腺被ばく線量を評価した。
東電によると、1973人の検査対象者には手紙で通知。3日までに検査を受けたのは727人という。 等価線量は臓器ごとの被ばく線量で、体全体の内部被ばく量に比べ値が大きくなる。