【ワシントン共同】2001年の米中枢同時テロで崩壊した世界貿易センタービル跡地で救助活動した消防士は、ほかの消防士に比べ、がんの発症率が19%高かったとの研究結果をニューヨーク市消防局などのチームが1日、英医学誌ランセットに発表した。
アスベスト(石綿)やダイオキシンなど有害物質にさらされた影響とみられる。チームは「がんは発症までの期間がもっと長いことを考えると予期せぬ事態だ」としている。
チームは、救助に当たった人を含む消防士約1万人を7年間にわたって追跡。救助した消防士は、しなかった消防士に比べ、がんを発症する危険性が19%高いことを突き止めた。がんの部位別では、胃がん、大腸がん、膵臓(すいぞう)がんなど10種類で通常よりも発症率が高かったが、肺がんは通常よりも58%低かった。
オバマ大統領は今年初め、ビル跡地で救援や復旧に携わり、健康被害を受けた消防士や警察官らに医療費補償を支給する法案を成立させたが、がんは補償の対象になっていないという。
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