くしゃみや鼻水などアレルギー性鼻炎の主要な原因が、花粉の刺激を受けて鼻の粘膜から出るタンパク質「インターロイキン33」(IL-33)であることを兵庫医科大や福井大、京都府立医科大などのチームが解明し、4日までに米アレルギー学会誌電子版に発表した。
研究では、鼻粘膜の上皮細胞から放出されたIL-33が、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンを増加させる働きなどがあることを突き止めた。兵庫医科大の善本知広(よしもと・ともひろ)教授は「花粉症の発症メカニズムは不明な点が多いが、今回の研究からIL-33の働きを抑えられる治療薬の開発が期待できる」と説明した。
善本教授らが作製したブタクサ花粉のアレルギー体質を持つマウスは、5匹の平均で、花粉により10分間にくしゃみを約70回した。一方、同じ体質を持つがIL-33が欠損した5匹では平均約25回に減少した。
IL-33が欠損したマウスは鼻水を分泌させる細胞の活性化も見られず、アレルギー性鼻炎の発症を抑える結果になったという。