食事のほとんどを生食に出来れば、
生きた酵素が病気治癒や減量に効果を表す

 

 健康と医療「病気を治すのは」
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 分子栄養学では、ビタミンCやその他のビタミン、多数のミネラル、そしてたんぱく質(特にアミノ酸)の重要性を中心にこの栄養学を構築していますが、消化からはじまる肉体の成り立ちのアナログ的つながり(有機的な存在)を良く理解していなかったこと、つまり酵素の力がおろそかになっていたことが、私たちには物足りないものでした。また、毎日の食事内容の改善より、むしろビタミン、ミネラル、ファイトケミカルなどのサプリメント投与が中心的なことも疑問に思いました。

 しかしそれでも、冒頭に触れたアロパシー一辺倒の西洋医療に比べれば、分子栄養学は比較にならないほど優れていると思います。この基礎知識は限りなく有用な情報で大変にありがたく、これらに私の提唱する「酵素栄養学」「腸を良くする」という方法が加われば、正に「鬼に金棒」と言っても過言ではありません。

 私はこのような考え方を自分のクリニックに取り入れることにより、ガンを含む数多くの慢性病の治癒をサポートしてきました。お陰さまで、最近の治癒実績は計り知れないものがあり、正に私たちが持っている自然の浄化作用には驚嘆することが多々あります。ですから、患者さんにも栄養の基礎は学んで欲しいと思っています。

それには、次の考え方が大切です。
1.栄養素は、ドッキングして勉強すること(他の栄養との関係性や生体メカニズムなど)
2.食物の改善法を主として、サプリメントはサポートという考えを持つこと
3.腸の重要性、消化の重要性を第一に考えること
4.抗酸化の方法を勉強すること
これらは、極めて重要なことで、この4つの基本姿勢を軸に勉強していくことが大切です。

 酵素栄養学のパイオニアでもあるハウエル博士は、医大を卒業後、リンドラーサナトリウムという食事療法専門の療養所にて、医師として働いていました。そこで体験した内容は、医学部で教わった常識を根底から覆すものであり、生の野菜や果物を使うローフードの食養生でした。クライアントは、減量目的の人のみならず慢性病の人も多く、これほどローフードが病気治癒や減量に効果を表すことは画期的なことでした。

 ハウエル博士は、この体験を通じて、ローフードに含まれる酵素が生体に良い影響を与えていると確信を持ち、約50年以上も食物酵素(生の食品に含まれている消化酵素)の研究に没頭し、ついに1985年、「酵素栄養学」として発表したのです。今でこそ酵素については色々なことが分かってきましたが、当時は科学的根拠が不十分という意見もあり、賛否両論でした。しかし、実際に長年にわたり栄養療法を現場で施してきた医師にとっては、実際に成果も上がり、目の前が開けた一瞬だったでしょう。

NPO法人 鶴見酵素栄養学協会 理事長
鶴見クリニック 院長 鶴見隆史先生

2012年4月29日