【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)は12日、ディーゼル排ガスが「発がん性が十分認められ、肺がんの危険性を高める」との調査結果を発表した。同機関は1988年に発がん性を示す可能性が高いとしていたが、今回、より一層の危険性を強調したことになる。
最近では、先進国を中心に乗用車やトラックなどのディーゼル排ガス規制が強化されている。同機関はこれによってどれだけの改善効果があるのかは「今後の研究課題」としているが、さらなる規制強化の呼び水になる可能性もある。
ガソリンの排ガスについては、発がん性が「限定的ながら認められる」と発表。89年の調査結果から評価を変えなかった。
発がん性の評価は5段階で、ディーゼル排ガスは最も危険性が高い段階。88年の調査では危険性が高い方から2番目に分類されていた。ガソリン排ガスは3番目に分類されている。
国際がん研究機関は昨年5月、携帯電話の長時間使用は電磁波により「がんの危険もある」として、3番目の評価を発表した。