しゃれたふんどしに熱視線 美容と健康、
女子にも人気・脱パンツ睡眠の健康効果?

 

 ふんどしに対するイメージは古い、むさくるしい、恥ずかしい? 街では近ごろ、おしゃれなデザインのふんどしが売り出され、熱い視線が注がれている。メーカーでは品切れになる人気商品も出ている。

 ▽4割が女性用

 この春オープンした「東急プラザ 表参道原宿」(東京都渋谷区)にある雑貨店「ハンズビー」には、はやりのコスメやアロマとともに、カラフルなふんどしがずらり。水玉やチェック模様のひもと、ベージュや紺色のリネン(亜麻)でできた布は、一見してふんどしとは分からないかわいらしさだ。

 「本当にすばらしい開放感☆」(20代女性)、「とてもリラックスできる」(50代女性)。「SHAREFUN(しゃれふん)」(男性用、女性用が計約30種類、各2940円)という商品名で販売する「プラスチャーミング」(東京都豊島区)によると、女性からの手書きメッセージが続々届いており、売り上げの約4割は女性用だ。

 ▽クールビズにも

 同社がインターネットを通じて発売したのは昨年12月。メディアで紹介された今年2月には全国から注文が殺到し、1カ月で約800枚を売り上げて生産が追いつかなくなった。品切れになる商品も。表参道の店舗では2カ月で約200枚が売れた。

 従来のふんどしは綿を使った布地が主流だが、同社は防臭、防菌効果に優れたリネンにこだわる。汗を素早く吸い取り発散させ、風通しも良いことから「クールビズにも役立つ」という。

 「脱パンツ睡眠」を提唱する札幌市の産婦人科医、丸山淳士(まるやま・じゅんじ)さん(74)は、ゴムによる締め付けは血行不良を起こし、冷えやホルモン分泌の低下を招くと指摘する。「眠るときだけでも、下着のストレスから体を解放してみては」(丸山さん)

 ▽日本を元気に

 プラスチャーミング代表の中川啓次(なかがわ・けいじ)さん(35)は、過労で体調を崩した会社員時代にふんどしに出会った。試してみると熟睡できるようになり、元気とやる気を取り戻したという。

 「日本ふんどし協会」(本部・東京)もつくった。会長として「みんなで締めれば怖くない!」を合言葉に、ふんどしの普及に貢献した「ベストフンドシスト」の表彰や普及啓発を行う。「快適で健康的な伝統のアンダーウエアを見直そう」と呼び掛ける。

 「パンツとけんかするつもりはない」と中川さん。「ふんどしを広めたら日本が元気になる。まずは古いというイメージをおしゃれに、楽しく変えたい」

 節電の夏、おしゃれなふんどしは、どこまで熱いブームになるか―。

注)☆はハート(白)

2012年6月29日 提供:共同通信社