H7N9型鳥インフル、家族で複数感染ケースも
【ジュネーブ=石黒穣】中国で鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染が拡大している問題で、世界保健機関(WHO)は9日、同居する家族内で複数の感染者が出ているケースが2例あると明らかにした。
一つの家族からは3人、もう一つの家族からは2人の感染者が出ている。WHOは中国保健当局と協力し、それぞれの家族内で人から人へ感染した可能性がないか調べている。ただ、「現時点では人から人への感染を示す証拠はない」としている。
2013年4月9日 提供:読売新聞
鳥からのウイルス検出20例 WHO、家族感染疑いも
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)の報道官は9日、中国で感染者が増加している鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)について、食用の鳥からの検出が20例に上っていることを明らかにした。国連食糧農業機関(FAO)の調査で判明したという。
これまでのところ、人から人への感染は確認されていない。家族間での感染が疑われる2例について、詳しい検査を行っている。
WHOは鳥からの検出例が多くなっていることから、市場などで鳥との接触を避け、ウイルスを死滅させるため鶏肉を食べる際には十分に火を通すよう勧告している。
2013年4月10日 提供:共同通信社
鳥インフル死者9人に 上海、浙江省で新たに判明
【上海共同】中国の上海市政府と浙江省政府は9日、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染者がそれぞれ2人ずつ新たに確認されたと発表した。江蘇省政府は同日、既に感染していた患者のうち1人が死亡したと発表した。同日の新華社電などによると、安徽省の女性も死亡した。
中国全体の死者は計9人、死者を含めた感染者は少なくとも計28人に。中国で最大の日本人コミュニティーを抱える上海市の死者を含めた感染者は計11人となり、初めて2桁となった。感染は上海市と浙江、江蘇、安徽の3省に及んでいる。
上海市の日本人学校高等部は9日、新学期を迎え、始業式を行った。上海日本人学校は小・中学校もあるが、始業式は11日の予定。H7N9型の感染者が公表されて以降、高等部が上海での最初の登校日となった。
同市浦東新区の学校施設で行われた始業式には、10日に入学する新入生を除く約90人の生徒が参加。式典に先立ち水野俊夫(みずの・としお)校長は感染拡大を受け「日本総領事館の情報などに基づき、生徒らに注意を呼び掛けていきたい」と語った。
新3年生の首藤功平(しゅとう・こうへい)さん(17)は「始業式ができるかどうか心配だった。人から人への感染は起きていないが、体調管理をしっかりとしていきたい」と心配そう。金子祐誠(かねこ・ゆうせい)さん(17)は「大学受験に向け落ち着いて勉強するためにも、鳥インフルが早く終息してほしい」と話した。
高等部は、世界に約90校ある日本人学校で初めての高校として2年前に開校。この春、新入生が入学して初めて3学年がそろう。
一方、中国科学院の研究室はH7N9型を解析した結果、上海市に隣接する浙江省に生息するカモと韓国の野鳥の遺伝子が入り交じっている可能性があると指摘した。中国のニュースサイト「財新ネット」が9日までに報じた。