温かい日が多くなり、薄着になり始める季節。体のラインも気になる。夏に向けてダイエットを計画する人も多いはず。スロートレーニングを提唱している石井直方(なおかた)東京大大学院教授(58)=運動生理学=にダイエットのコツを聞いた。
石井さんが勧めるのは筋トレ。
人間が1日に消費するエネルギーのうち7割は基礎代謝によるもので、基礎代謝と筋肉量は比例する。最近の研究では、筋肉を鍛えると落ちにくい体脂肪が落ちやすく変化することも分かってきた。「同じ活動量で同じものを食べても、筋肉が多い人の方がやせやすいんです」
体の中で大きな筋肉は、太もも・おしり・おなかの三つ。太ももの筋肉に効く「スクワット」と、おなか周りの筋肉を使う「トランクカールダウン」を教えてもらった。
スクワットはまず、足を肩幅に開き、つま先を少し外に向けて立つ。足のつけ根にある鼠径(そけい)部に手を当て、膝を少し曲げた状態が基本姿勢だ。太ももとおなかで手を挟むようにして腰を落とす。この時、膝が前に出過ぎないように注意。息を吸いながら4秒かけてしゃがみ、息を吐きながら4秒かけて基本姿勢に戻る。
トランクカールダウンは、椅子に座り、両手を膝の上に置く。背筋を真っすぐ伸ばして、胸を張る。これが基本姿勢。次に、背中を少しずつ丸めながら上体を後ろへ。ポイントは、おなかを引っ込めながら視線はおへそ。息を吐きながら4秒かけて後ろに倒し、1秒止めて、息を吸いながら4秒かけて基本姿勢に戻る。
これで物足りない人は、床に「体育座り」して同じ動作をすると、さらに効果的だ。
どちらも休憩を入れながら1日に10回3セットを目標に。「意外にきついので、慣れるまでは5回3セットで続けましょう」
筋トレ後はエネルギーを消費しやすい体になるので、1日の活動を始める前の午前中に済ませてしまおう。【中村かさね】
2013年5月6日 提供:毎日新聞社