一気飲み、ACCが問題視【米国心臓学会】
将来的に心臓疾患のリスク

 

  米国心臓学会(ACC)は4月23日、若者が日常的に短時間で大量に飲酒することがもたらすリスクに関する研究を紹介した。同学会発行誌のオンライン版に掲載されている。

 大学生の間では、短時間で大量に飲酒することが多くみられるようになってきており、深刻な問題となっている。このような飲酒に関する40-60歳を対象とした研究では、脳卒中、心臓突然死や心臓発作のリスクが高まることが分かっているが、無理な飲酒が若者に与える影響について検討した研究はこれまでなかった。

 今回行われた研究では、2時間で通常の量の5倍(男性)または4倍(女性)以上の大量飲酒の経験がある学生と飲酒を控えている学生を比較した。その結果、大量飲酒の経験がある学生では、血流をコントロールする内皮細胞および平滑筋に機能障害が見られた。これらは心血管系疾患の前兆である可能性がある。

 研究者らは、このような飲酒がきわめて不健康で、リスクが高く、深刻な結果をもたらすということを若者が理解することが重要だとしたうえで、青年期の大量飲酒によるダメージが心血管系疾患発症前に回復するかといったことや、発症の時期を明らかにするためにさらに研究が必要だとしている。

【関連リンク】
Binge Drinking in College Can Lead to Heart Disease Later in Life

2013年5月2日 提供:米国学会短信