夏場はアリに似た虫「アオバアリガタハネカクシ」による線状皮膚炎が増えやすい。県内の専門医は「虫の体液に触れると、発疹などができる。虫が近づいても決してつぶさないで」と注意を呼び掛けている。
アオバアリガタハネカクシは「やけど虫」とも呼ばれる。熊本皮膚科医会理事の丸尾圭志医師(51)=くまもと森都総合病院皮膚科部長=によると、この虫の体液にはペデリンという毒が含まれ、体液に触れることで皮膚に線状の赤い発疹や小さな水ぶくれができ、痛みやかゆみを伴うこともある。
県内では6〜8月に線状皮膚炎の患者が増える。永田皮膚科医院(玉名市)の永田貴久副院長(36)は「7月に入って毎日1人は診察している。例年よりも患者は多め」と話す。
虫は体長7ミリ程度と小さく、触れたことに気付かない間に線状皮膚炎を起こす人も多いという。
丸尾医師は「治療は虫刺されと同様で、ステロイド剤の塗り薬やかゆみ止めの内服薬を使う。きちんと治療すれば1週間から10日で治るが、水ぶくれがある場合などは傷痕が残ることもある」と話す。
アオバアリガタハネカクシは田畑などに生息し、夜の電灯に集まりやすいとされる。丸尾医師は「体に付いていたら指で直接触れず、ハンカチなどで取り払うこと。虫に触れたら水で洗い流すことが重要」と話している。(田中祥三)
2013年7月29日 提供:熊本日日新聞