一般に市販されている立体マスクでは、PM2,5などの捕捉は無理だし、顔に密着して息苦しい、やはり濾過機能が良いのは、表面積を広くすることで、吸い込みを楽にできる、3M社のマスク特にN100規格は放射能汚染粒子にも有効です。
黄砂で発がん性上昇 金沢大など発表 春先、マスク対策を
金沢大などの研究グループは、大気汚染源とされる微小粒子状物質「PM2・5」と黄砂が交じると、発がん性の高い物質が発生しやすくなることを突き止めた。
黄砂が化学反応を加速させ、PM2・5に元々付着している発がん性物質に比べ、がんを引き起こすリスクが100倍以上高い物質が生じやすくなるという。研究を取りまとめる金沢大・環日本海域環境研究センターの早川和一(かずいち)センター長(63)=環境科学=は「PM2・5と黄砂がともに増える春先はマスクを身に着けるなど意識して対策をしてほしい」と呼びかけている。
PM2・5は大気中に浮遊する直径2・5マイクロメートル以下(マイクロは100万分の1)の微粒子で、車や工場の排ガス、ストーブなどから発生し、中国からの飛来が懸念されている。
研究グループは1990年代後半から毎年夏と冬を中心に、金沢・輪島両市や中国・北京、ロシア・ウラジオストクなどの日本海沿いで、携行式の器具を用いて地上約1・5メートルの空気を採取し、汚染物質を観測してきた。
その結果、大気中の黄砂量が多い時に、高い発がん性を持つ「NPAH(ニトロ多環芳香族炭化水素)」の濃度が上昇する傾向が見られた。
そこで早川氏らは、黄砂がNPAHの発生に深く関わっていると推測。PM2・5に含まれる発がん性物質「PAH」と、大気中に浮遊する窒素酸化物を入れた容器に、黄砂を混ぜたところ、NPAHが大量に発生し、推測が裏付けられたという。黄砂が触媒となって化学反応を促したと見られ、詳しい発生メカニズムを分析している。研究成果は熊本市で先月末にあった日本薬学会で発表された。
ストーブなど石炭燃料の暖房使用に伴い生じるPM2・5と、中国大陸から飛来する黄砂の量がともに増える3〜4月に、NPAHが多く発生すると研究グループは見ている。早川氏は「NPAHは黄砂に付着するので、マスクでも除去効果は期待できる」と話している。【横田美晴】