女性のHIV予防で2指針発表 米国学会短信


女性のHIV予防で2指針発表
HIV検査とPrEP、医師カウンセリングも重要

 米国産科婦人科学会(ACOG)は4月21日、「定期的なヒト免疫不全ウイルス(HIV)スクリーニング」「HIV感染予防」についてのCommittee Opinionを発表した。これらは、Obstetrics & Gynecology誌5月号に掲載される。また、米国疾病対策センター(CDC)の性感染症(STD)啓発月間には、女性のHIVに関する新たな勧告を発表している。

 米国では、2010年と2011年で約1万人の女性がHIV感染の診断を受けているが、5人に1人は自覚症状がない。検査を受けなければ、治療が遅れ、感染リスクは増大し、他の健康管理にも影響する。

 今回のCommittee Opinion では、CDCの勧告を反映して19‐64歳であったHIV検査の推奨年齢を13‐64歳とした。また、本人あるいはパートナーが麻薬静注者である、HIV検査以降に男性と性交経験のある男性と性交したなどの個々のリスク要因に基づき、年1回以上継続して検査を受けることを推奨。検査後、陽性患者には適切な臨床ケアおよび対症ケアの紹介をするなど、医師の継続的なカウンセリングが重要としている。

 感染予防に関しては、HIV感染リスクの高い女性には、感染前予防(PrEP)と別のHIV予防法を併用した方がよいとしている。PrEPとは、感染リスクが高いHIV陰性者に1日1回の抗レトロウイルス薬を投与すること。感染率を減少させ、副作用も軽度である。PrEPの対象者については新しいガイドラインで明確にしている。一方、コンドームの使用など行動的介入についての説明、毎日確実に投薬することなど、患者のリスク低減には医師のカウンセリングが重要であることも強調している。

【関連リンク】
New Guidelines Address Screening Prevention of HIV in Women

引用:米国学会短信 2014年5月8日(木)

2014年5月28日更新