カンジダ菌はお口の中にも多く生息していて、特に、マウスピースや入れ歯の多い。
直ちに対策必要ない 識者談話
日本川崎病学会会長の浜岡建城(はまおか・けんじ)・京都府立医大教授(小児循環器病)の話 カンジダは以前から川崎病の原因になり得るのではないかとされ、研究が進められていた。カンジダが気流によって中国から運ばれ、発症につながっている可能性はあるだろう。だが論文は、気流の途中に位置する中国や韓国で患者がそれほど多くないことを説明しておらず、得られた結果をつなぎ合わせたような強引な印象も受ける。現時点で直ちにカンジダへの対策が必要だとまでは言えない。
引用:共同通信社 2014年5月20日(火)
川崎病、中国からの風が関与か…原因物質運ぶ?
子どもの病気「川崎病」は、中国北東部から日本へ吹き込んだ風が運ぶ物質が関与している可能性がある、との報告を、日米欧の研究チームがまとめた。原因究明の手がかりとなる成果で、米科学アカデミー紀要電子版に20日掲載される。
川崎病は全身の血管に炎症が起こる病気で、高熱や発疹を引き起こし、心臓に障害が残ることもある。1967年に川崎富作博士が報告した。日本では現在、年間約1万4000人が発症し、季節により患者数が変動する。
研究チームは、70〜2010年の日本の川崎病調査のデータを活用、発症日と気流との関係を調べた。その結果、過去3回の流行期では、中国北東部からの風が強く吹き込んでいたことがわかった。流行期にこの風が運んできた微粒子を分析したところ、マウスの実験で川崎病との関連が指摘されているカビのカンジダ菌などが含まれていた。
研究チームの中村好一・自治医大教授(公衆衛生学)は「この風が通過する韓国では同時期の流行はない。川崎病には複数の原因物質があり、人種によって反応のしやすさが違うのかもしれない」と話している。
引用:読売新聞 2014年5月20日(火)
中国からの菌類が原因か 乳幼児発症の川崎病
乳幼児に血管の炎症を引き起こす「川崎病」は、日本の場合、中国北東部から気流に乗って運ばれてくる菌類が原因の可能性があるとの報告を、米国やスペインの研究機関、自治医大(栃木県)などの国際チームが19日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
川崎病は1967年に小児科医の川崎富作(かわさき・とみさく)氏が初めて報告し、国内では年間約1万人が発症するが、原因は特定されていない。
チームは、日本で川崎病が大流行した1979、82、86年で、発症者が多かった日の気流を解析したところ、中国北東部の穀倉地帯付近から流れてきたと推計された。87〜2010年でも同様の結果だった。
発症の多い3月に日本の上空2千〜3千メートルの大気中のちりを集め、微生物を調べたところ「カンジダ」と呼ばれる菌類が54%を占めていた。カンジダはかびの仲間で、体内や空気中にも存在することが知られている。
これまでの研究で、カンジダから抽出した物質をマウスに投与すると、川崎病に似た症状を発症することが知られており、川崎病の原因の候補と考えられてきた。
中国北東部の穀倉地帯ではとうもろこしや米、小麦が主に作られているが、カンジダとの関係は不明という。
チームに発症データを提供した中村好一(なかむら・よしかず)・自治医大教授は「気流と川崎病の関連を証明するにはさらなる検証が必要だ」と話している。
※川崎病
主に4歳以下の乳幼児がかかる病気で1967年、小児科医の川崎富作(かわさき・とみさく)氏が世界で初めて報告した。全身の血管に炎症が起きるのが特徴で、心臓の血管にこぶができることもある。主な症状は5日以上続く熱や両目の充血、発疹など。国内では年間約1万人が発症し、近年増えている。米国、韓国などでも報告がある。原因は分かっていない。夏と冬に発症が多く、何らかの病原体が引き金となって、患者の遺伝的な要因と絡んで発症するのではないかとの見方がある。
引用:共同通信社 2014年5月20日(火)