健康寿命、延ばすには
元気に暮らせる健康寿命は女性が73歳、男性が70歳。亡くなるまでの平均寿命は女性86歳、男性79歳。どちらも2010年時点の国内平均の値だ。
その差は女性が約13年、男性が約9年ある。これを縮めて、健康に過ごす期間を延ばそうという考えが広がっている。
健康寿命という発想は1980年代に米国で生まれ、日本にも浸透してきた。平均寿命の延びが鈍る一方で、生活の質を重視するようになったことが背景にある。厚生労働省の国民生活基礎調査のデータをもとに計算している。
厚労省研究班は、都道府県別の値を出しており、静岡や愛知、群馬、鹿児島、石川が長かった。分析した東北大の辻一郎教授によると、理由ははっきりしないが、緑茶や野菜を多くとる県の健康寿命が長い傾向があった。静岡や愛知が上位だからと、ミカンでも調べてみたが、関連がみられなかったという。
「一番大切なのは、人とのつながり。社会参加できる環境づくりです」。辻さんはそう強調する。実際、就業率が高いと健康寿命も延びる傾向がみられた。ボランティアや地域活動でも同じような効果がありそうだという。
引用:朝日新聞 2014年6月3日(火)