お盆休みをとった人も、これから夏休みという人も、長い休み明けは「ちょっとだるさが残っている」なんてことも多いだろう。栄養、入浴、体操の3つのポイントを押さえれば、そんな疲労をスッキリ解消できる。 |
○まずは栄養面
そうめんなどあっさり気味の食事ですませていた人も、バランスの良い食事で休み明けへの備えを十分にしたい。
「疲労回復には、たんぱく質をしっかり。糖質をエネルギーに変えるビタミンB1やビタミンC、Eをとることも大切」と話すのは、料理研究家で管理栄養士の池上保子さん。これに最適なメニュー「梅ずし」を紹介してもらった。
必要な材料は、ご飯2人前に梅干し2、3個、ウナギ1串(くし)、枝豆1/2カップ、青じそ10枚、煎りゴマ大さじ1杯。
まずは、炊いたご飯に梅干しの果肉を軽く包丁でたたいて梅肉混ぜご飯をつくる。ウナギは1センチ角に切って食べやすくする。枝豆は塩ゆでして薄皮もとる。青じそは縦半分に切った後で千切りに。これらを梅肉混ぜご飯と混ぜ合わせる。さらに煎りゴマを指先で軽くひねりつぶして混ぜる。ご飯が粘らないよう軽く合わせることが肝心だ。
ウナギはビタミンが豊富。さらに枝豆でビタミンC、Eを補給する。梅干しのクエン酸は食欲を刺激し疲労回復に効く。
「旬の夏野菜を献立に1品追加するのがこの時期の基本。ピーマン、トマトは生でもOK」と池上さん。
「ナスやカボチャは5、6分、電子レンジにかければ、ドレッシングやバターでおいしく食べられる」と話す。
○効果的な入浴
疲れそのものをとるのに効果的なのは入浴だろう。入浴法に詳しい東京都千代田区インペリアルタワー診療所の植田理彦医師は「38度のぬるめの湯で、へそから一握り上の水位の半身浴が最もよい。時間は汗ばんでくる20分ぐらいが目安」と話す。肩が涼しければ乾いたタオルをかけておくか、定期的に軽く湯をかければよい。
半身浴は適度な水圧が確保され血流がよくなることで、乳酸、炭酸、尿酸といった疲労物質を早く体外に出す。利尿ホルモンを促して尿の量も増やす。また体を鎮める副交感神経を優位にすることで睡眠不足を解消、食欲も刺激する。
「疲れ切ったときには、洗面器に42度ぐらいの湯を張って足湯をするとよい。疲れで片頭痛がするときなどは、同じ温度で手首から先を湯につける手湯も効き目がある」と植田さん。
○お勧めの体操
ごろ寝ばかりで運動不足だったという人にお勧めなのはストレッチ体操。久しぶりに運動してみようかという人も備えとしてやっておくとよいだろう。コナミスポーツクラブ池袋の佐藤慎也支店長に、テレビを見ながら簡単にできる基本ストレッチを聞いた。
「最も大切なのは、今この筋肉を伸ばしていると『意識する』こと」と佐藤さん。さらに「呼吸をとめない。反動をつけない。同じ姿勢を10−15秒保つ。気持ちのよいところで止めること」を挙げた。
あぐらをかいた姿勢でできるのは背中や肩のストレッチ。丸太に抱きつくような格好で両腕を丸く前に出し、その輪の中に頭を入れるようにして背中を伸ばす。次に手を腰の後ろで組んでゆっくりと斜め後ろ45度の方向に伸ばし胸を張る。肩の筋肉はひじの辺りを反対の手で下から支え、その手を体に引きつけて伸ばす=フロントの写真。
次に足を崩して片足を前に出し、もう一方の足は軽く曲げて、出した方の足のつま先へ手を伸ばす。こうすれば、ももの裏の筋肉のストレッチも効果的にできる。
寝転んでいてもOKだ。手を上げたままあおむけになり大きく背伸びをする。その際はおなかの筋肉を伸ばすように意識する。次にひざを軽く曲げ、右足を左足の上から体の左側へ倒し伸ばす。このとき両肩が浮かないようにして腰のひねりを保つ。逆側も同様に。さらにひざの上に逆の足の足首を置き、曲げた足のももの裏から手をくぐらせて引きつけ、尻からもも裏の筋肉を伸ばす。
それぞれ、テレビを見ながらやごろ寝の途中など思いついた時にすればよい。ただ、その際は漫然とやるのではなく、しっかりと筋肉が伸びるのを実感してほしい。気持ち良く終えれば疲れは抑えられるはずだ。
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