脳梗塞(こうそく)は、脳血管が詰まることによって神経細胞が死んでしまう病気。患部によって、言語障害や半身マヒなどの後遺症が出る。早期に治療できれば後遺症も軽くなるが、何より大切なのは発症を予防することだ。
まず注意すべきなのは、高血圧・糖尿病・高脂血症・喫煙習慣などの「危険因子」を持つ人。脳梗塞を起こしやすい状態なので、適度な運動や食事内容の見直し、禁煙など生活習慣の改善を図る必要がある。
脳梗塞の"前触れ"に気づけるかどうかもポイント。患者は事前に「一過性脳虚血発作(TIA)」を経験していることが多い。言語障害などの症状は脳梗塞と共通だが、数分程度で治まることが多い。気のせいなどとして見逃されるケースがほとんどだが、実は危険信号。
東京女子医科大学の内山真一郎教授は、言語障害や手足のしびれなどを典型的なTIAの症状=表=として挙げ、「すぐに症状がなくなったからといって安心して放置してはいけない」と戒める。TIAを疑うような症状が出た場合は一刻も早く、病院で精密検査を受けた方がよい。
脳梗塞の前触れ(TIA)として一時的に表れる主な症状
・片方の目が見えなくなる
・視野の半分が欠ける
・ろれつが回らない
・手足をうまく動かせない
・体の半分がしびれる
(いずれも数分で治まることが多い。思い当たる場合は病院へ)
2004.10.10 日本経済新聞