ジョギング中に経験するような疲れにいつも見舞われ、どうきや発汗、不眠などに悩まされる場合、バセドー病を疑ってみる必要がある。眼球が出てくる病気として有名だが、この症状が表れるのは患者の約3割。チェックシートを参考に早期発見につなげよう。

バセドー病は自己免疫疾患のひとつ。首のつけ根付近にあり代謝をコントロールする甲状腺の機能がおかしくなり、ホルモンを過剰に分泌する。新陳代謝が必要以上に活発になるため、疲れやすい状態が何日も続く。どうして発症するかはまだよく分かっていない。患者の約8割が女性で、20−40代に多い。

治療の基本は過剰に分泌した甲状腺ホルモンの量を抑えること。薬だと1年以上、長期に服用しなければならない。手術や放射線療法によって甲状腺を小さくする方法もある。病状に合わせて選ぶことになる。

金地病院(東京・北)の山田美恵子院長は「治療すれば、ほぼ100%元気を取り戻すことができる」という。体に負担をかけないためにも、早期発見が大切。血液検査で診断可能で、心当たりがある人は、一度内科で検査してもらおう。



バセドー病の症状のチェックシート

○暑がり
○けん怠感
○動悸(どうき)
○手足の震え
○発汗
○筋力低下
○軟便
○不眠
○イライラ感
○むくみ
(注)上の項目ほど表れやすい症状



2005.515 日本経済新聞