自宅でくつろいでいる最中に、急に胸が締めつけられるような痛みを感じたり、背中やみぞおちが痛くなったりしたら、微小血管狭心症の疑いがある。更年期を迎えた女性に多く、10人に1人の割合で起こる。命を落とす心配はないが、検査しても発見できないことがあるので厄介だ。
症状は胸の痛みのほか、背中やあごの痛み、のどが詰まるなど。心臓の筋肉の中にある毛細血管の血液の流れに問題が起きる。血管拡張作用を持つ女性ホルモンの量が減り、血管が収縮しやすくなるためだ。
太い血管が詰まったり狭くなったりするわけではないので、痛みの原因がよく分からないケースが少なくない。見つけにくいうえ病気が知られるようになってまだ日が浅く、「狭心症に詳しい医師でも知らないケースが多い」と天野恵子千葉県衛生研究所長は話す。
治療法も狭心症とは異なる。ニトログリセリンだと小さな血管は拡張しないため、カルシウム拮抗(きっこう)剤などを服用する。予防法はなく、生活の中でストレスをためないこと。規則正しい生活や禁煙も心がけたい。
微小血管狭心症の特徴
・就寝中など安静時に起こりやすい
・痛みが10分以上、場合によっては半日続くことも |
発症しにくくするには
・心にストレスをためない
・睡眠を十分にとる
・寒いところに急に出ない |
胸が痛くなった場合の対処法
・複式呼吸しながら安静にする |
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