肋骨(ろっこつ)に刺すような痛みが走ったら、肋間(ろっかん)神経痛かもしれない。肋骨に沿って延びる神経が傷ついたり刺激されたりして発症する。根気よく治療を続けると、痛みは軽くなる。
水ぼうそうのウイルスが原因で起きる「帯状疱疹(ほうしん)」や肺がんや気胸の手術で肋間神経が傷つくと、手が触れたり風が吹いたりしただけでも痛むようになる。
原因が思い当たらなくても、時々息ができないような痛みを一瞬、感じる人もいる。肋間神経が、筋肉や骨に挟まって起きるケースがあるからだ。
抗うつ剤で神経の過剰な興奮を抑えれば、痛みも和らぐ。投与量はうつ病治療で使用する場合の数分の一なので、精神的な作用はほとんどない。麻酔薬を少量注射する神経ブロック法もペインクリニック外来を掲げた病院などで受診可能だ。
脇腹の痛みには狭心症や肺梗塞(こうそく)など深刻な病気も隠れていることがあるから気をつけたい。「まず、痛みの原因を見つけることが大切。少しの痛みでも我慢せず医師に診てもらおう」と帝京大学の北原雅樹講師は話す。
肋間神経痛と間違えやすい脇腹の痛み
慢性の筋肉痛 押すと痛みを感じるしこりがある
狭心症 神経痛のように、数秒で痛みが終わることも。心電図で区別する
脳梗塞(こうそく) 数分間痛みが続く。心電図で区別する
肋骨のひびや骨折 久しぶりの運動や満員電車で知らないうちに折れることがある
2005年11月27日付 日経新聞
慢性の筋肉痛 |
押すと痛みを感じるしこりがある |
狭心症 |
神経痛のように、数秒で痛みが終わることも。
心電図で区別する |
肺梗塞(こうそく) |
数分間痛みが続く。心電図で区分する |
肋骨のひびや骨折 |
久しぶりの運動や満員電車で知らないうちに折れることがある |
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