妊娠後に血圧が高くなったり尿たんぱくが出たりすると、妊娠高血圧症候群を疑った方がよいかもしれない。
こうした症状は妊娠8ヶ月以降に出やすく、5〜10%の割合で発症するといわれている。
35歳以上で初産の妊娠や双子以上の多胎妊娠などで併発しやすい。
従来は妊娠中毒症と呼ばれていた。

原因の詳細は不明。妊娠初期の胎盤が作られる時期に、母体が順応しきれていないのが問題の一つと考えられている。
妊娠中は退治に栄養を送っているので血圧はやや高めになるが、最高血圧が140、最低血圧が90以上の状態だと高血圧になる。
血圧が高い状態が長く続くと腎臓の機能が低下しやすく、尿たんぱくが出るようになる。

なによりも安静になるのが一番の治療法、急に症状が悪化する場合もあるので、症状がひどい時は「入院したほうがよい」(昭和大学医学部産婦人科の関沢明彦講師)。
1日のたんぱく質や塩分量、水分摂取量などを考えて食事を取り、カロリー制限する。

「重症のケースは帝王切開などで出産することも選択肢」(関沢講師)だから覚えておこう。


妊娠高血圧症候群
になりやすい人

・持病に糖尿病、高血圧症、腎臓病がある
・家族が上記の病気をもつ
・極端な太りすぎや、やせすぎ
・疲労やストレスがひどくたまっている
・35歳以上の初産
・多胎妊娠



2007.4.8 日本経済新聞