子宮腺筋症は子宮の内膜が子宮の筋肉の層の中に入り込み増殖して発病する。20代と30代前半に多いと言われており、子宮筋腫などと同様に若い患者が増えている。

月経の時、子宮内膜が正常だと出血を伴ってはがれ落ち体外に出るが、子宮の筋肉層に潜り込んでしまうとその場で出血してしまう。子宮の筋肉が引き伸ばされ激しく痛む。筋肉の中で出血することで瘢痕(はんこん)組織ができ、子宮が収縮しにくくなり月経時の出血が止まりにくくなる。

根本的に治すには子宮などを摘出しなければならないが、未婚女性や妊娠を希望しているとそう簡単にはいかない。病巣部だけを削り取る手術もあるが、久我山病院(東京・世田谷)の中村幸雄院長は「病巣が広範囲に及んでいることが多く、完全に取りきることは難しく再発につながることもある」と指摘する。

症状をやわらげるため女性ホルモンの分泌を抑制する薬物を投与する方法もある。
進行すると不妊症の原因となることもある。思い当たる人は「がまんせずに早めに産婦人科を受診してほしい」(中村院長)と話す。


子宮腺筋症で起こる主な症状

・月経の変化、出血量が増える
・激しい下腹部痛
・希望しているのになかなか妊娠できない
・腰痛
・貧血



2007.3.4 日本経済新聞