子供を中心に発熱や頭痛、乾いたせきなどの症状が出るマイコプラズマ肺炎が、2006年から流行期に入った。症状は軽く済むことが多いが、抵抗力が弱った高齢者が感染すると重症化して呼吸不全などを引き起こすこともある。予防のためのワクチンはまだなく、うがいや手洗いなどを心がけたい。

病原体は細菌の「肺炎マイコプラズマ」。感染すると2−3週間の潜伏期間を経て発病する。最初は37−38度の熱が出て頭痛がしたり、全身がだるくなったりする。数日たつとたんを伴わない乾いたせきをするようになる。

飛沫(ひまつ)感染するため、のどが乾燥しやすい秋から冬に要注意。梅雨時に流行することもあるから覚えておこう。

ペニシリン系やセフェム系などの抗生物質は効き目がなく「マクロライド」という薬を使う必要がある。
最近、マクロライドの効かない耐性菌が現れて問題になっている。国立感染研究所の見理剛・主任研究官は「耐性菌に感染しても多くは自然に治るが、発熱の期間が長引くなどの傾向がある」と話す。


マイコプラズマ肺炎の主な症状


▽37−38度の発熱
▽頭痛
▽全身のだるさ
▽たんを伴わない乾いたせき

▽耳や胸の痛み
▽合併症  
中耳炎、無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎、心筋炎


2007.3.11 日本経済新聞