天候は気分にどのように影響を及ぼすか
太陽、風、雨が感情を揺り動かすかどうかが研究で明らかに
Kelley Colihan
WebMD Medical News
雨の日はいつも気が滅入りますか?
ドイツの研究者らは、毎日の天候が人間の気分に影響を及ぼすかどうかを解明することを試みた。
研究者らは、単に晴れや曇りという範囲を超えて、気温、風、日光、雨雪、気圧、日照時間にまで注目した。
本研究は、フンボルト大学(ベルリン)のJaap Denissenらによって実施された。
研究は研究当時ドイツに居住していた1,233例を対象とした。被験者の大部分は女性であり、平均年齢は28歳、年齢範囲は13潤オ68歳であった。
被験者はまず、外向性、神経症的傾向、経験への開放性、協調性、良識性を評価する性格検査を受けた。
次に、被験者に対し、毎日オンライン上で日記をつけ、疲労およびポジティブ・ネガティブな気分を評価する質問に回答するよう求めた。ポジティブな気分の例としては、「活動的」、「機敏」、「注意深い」、「活気がある」といった感情があった。ネガティブな気分の例としては、「怒りっぽい」、「おびえた」、「いらいらする」、「後ろめたい」といった感情があった。疲労は「のろのろした」、「眠い」、「けだるい」等の語によって評価した。
大部分の被験者は秋から研究に参加した。
研究者らは、気分に影響を及ぼす可能性がある自分自身の状態に関してフィードバックを受けながら、どのくらいの被験者が社会に適応したり、睡眠したりするかに注目した。
また、研究者らは毎日の天候データを収集し、被験者の郵便番号と対応させた。
天候と気分
従来の知識に反して、研究者らは毎日の気温、風、日光、降水量、気圧、日照時間はポジティブな気分に有意な影響を及ぼさないことを見出した。
気温、風、日光はネガティブな気分に影響を及ぼすことがわかった。日光は、疲労した人が疲労したことを口に出す仕組みに何らかの影響を及ぼすと思われた。
風が気分に及ぼすネガティブな影響は、春・夏のほうが、秋・冬よりも大きかった。
日光は、雨の日に人々が疲労について口に出すかどうかに対して緩和作用があった。
人々が反応する方法には非常にばらつきがあったため、個人において気分と天候の関連が依然として存在する可能性はあると研究者らは記述した。
日が短くなると、このことが気分に反映される人もいれば、実際にはより肯定的な感情を感じる人もいた。
日が短くなるにつれて気分が暗くなる人は、季節性情動障害(SAD)のリスクが高い可能性があると著者らは推定した。
著者らはいくつかの制限を明らかにしている。被験者が屋外で過ごす時間についての質問は行われなかった。しかし、結果は「さらなる研究のスタート点として用いることができる」と著者らは付言している。
本研究は、雑誌『Emotion』10月号に掲載されている。how-the-weather-affects-our-moods
|