糖尿は脳活動に影響

糖尿病は脳機能を低下させる

研究:コントロール良好な軽度糖尿病でも精神機能を低下させる

Daniel J. DeNoon
WebMD Medical News

厳格にコントロールされている場合でも、軽度糖尿病により精神機能が低下することを、カナダの研究が示している。

この認知障害は大きなものではないものの、2型糖尿病の早期に出現するようである。幸いにも、軽度潤オ中等度の糖尿病患者であれば、この障害が経時的に悪化することはない。

この知見は「比較的軽度の」2型糖尿病患者41例を含む53歳潤オ90歳の成人570例を対象とした研究から得られたもので、被験者は3年毎に精神機能検査を受けた。

初期のいくつかの研究で、糖尿病と精神機能の低下との関連性が示されているが、アルバータ大学(カナダ、エドモントン)のRoger A. Dixon, PhDらは、すべての精神機能が等しく障害されるわけではないことを明らかにした。

糖尿病患者の反応時間と認知速度は共に正常であったが、新しい言語情報を迅速かつ正確に処理する必要のある課題については遅れがみられた。この障害は速度には影響するが、言語の流ちょう性には影響しなかった。

「早期で適切に管理されている糖尿病患者には、こうした機能低下を代償する何らかの経路があると考えられる」とDixon博士はニュースリリースで述べている。

糖尿病患者とそれ以外の人の精神機能における差が、加齢により拡大しなかったことは朗報である。Dixon博士らが検出したこの障害は「臨床的に重大」ではないものの、同博士らの最近の研究からは、一部の患者ではこうした軽微な障害が精神機能のさらなる低下の前兆となっている可能性のあることが示唆されている。

この知見は『Neuropsychology』1月号に掲載されている。

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2009.1.5 記事提供 WebMD