夜、布団に入ると、足に虫がはっているような不快感が生じ、動かさずにはいられない「むずむず脚症候群」。大半は原因不明だが、中には、栄養不良などが隠れたきっかけとなっているケースもある。
中高年に多い病気で、むずむずする感覚のほか、かゆい、ほてるなどの感覚異常が起きる。深刻な不眠を引き起こすことが少なくない。
原因がわからない場合がほとんどだが、2割は何らかの病気や体調変化の結果、起きた「二次性むずむず脚症候群」とみられる。鉄不足によって起きる貧血やビタミンの一種である葉酸の欠乏、妊娠、人工透析などが発症のきっかけになる。
二次性の場合は原因を取り除ければ治療できる。鉄や葉酸の不足が原因なら、これらを補う薬を服用する。原因がわからないと根治は難しいが、症状をやわらげることは可能。脳のドーパミンの機能低下が発症に関与すると言われ、これを高める薬がよく効く。
仁愛診療所(名古屋市)の阪野勝久睡眠医療センター長は「適切な治療を受ければほとんどの人は不快な症状が取れるので、早めに受診を」と勧めている。
二次性むずむず脚症候群の主な原因
○鉄不足による貧血
○葉酸不足
○妊娠
○人工透析、慢性腎不全
○甲状腺機能障害
○パーキンソン病
○抗うつ薬などの副作用
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